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いよいよテリトリーバトルを明日に控えたその日。
それぞれのディビジョンの代表達は、何の因縁か中王区に入る前に全員顔を合わせてしまった。
イケブクロ、ヨコハマ、シブヤ、シンジュクといえば、かの有名なThe Dirty Dawgの元メンバーが代表を務めているディビジョンだ。
そしてThe Dirty Dawgといえば、
「────もう良い。テメェは喋るな。明日、永遠に喋れなくしてやる」
「おーおー明日までなんて待つ必要は無ぇ!今すぐその生意気な口聞けなくしてやんよ!」
めちゃくちゃ仲が悪いことで有名だった。
と言っても、山田一郎と碧棺左馬刻、飴村乱数と神宮寺寂雷の2組のみだが。
顔を合わせれば罵り合いが始まり、果てにはマイクを用いた喧嘩に発展してしまう。
そして今回も、中王区の門前だというのにバチバチのバトルが始まる寸前だった。
『………え、何やってるんですか』
4人がそれぞれヒプノシスマイクを起動させた直後。
突然、少女の声が響いた。
「は…?A?」
左馬刻が驚いた様に目を見開く。
彼らの振り向いた方には、声の主である制服を身に纏った黒髪の少女が立っていた。
そしてその後ろには、少女とどこか似た雰囲気の少年が。
「A先輩!翼!」
「あー!Aオネーさんだあ!」
「幻太郎、あのイケメン誰だ?」
「知りませんよ。乱数に聞いてみたらどうです?」
「………なんかやべー時に来ちゃったみたいだね」
『…そうだね。何で全員揃ってるの…』
突進して来た乱数を受け止めた少女…Aは、困った表情で弟の翼と顔を見合わせた。
「オネーさんも、中王区に何か用事でもあるの?」
『あー、まあちょっと』
「久しいね、Aさん」
『神宮寺先生。お久しぶりです』
「ちょっと寂雷、オネーさんにあんまり近付かないでよ」
「Aさんは君の所有物ではないだろう」
目の前で再びバチバチの喧嘩を始めた2人に苦笑いをするA。
すかさず空気を読んだ翼が止めに入って、その場は収まった。
そんな事をしている間に一郎と左馬刻もマイクを仕舞ったらしく、これで何とか代表同士の戦いは避けられたようだ。
「オイA、お前ら何しに来たんだ?」
『ああ…ちょっと人を迎えに』
「迎え?」
左馬刻が眉をひそめた、その時。
「─────こんな所で何をしている、下郎共」
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みゆ - 続き気になります〜!更新待ってます! (1月20日 15時) (レス) @page34 id: 38735f9208 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 続き気になる〜更新がんば (2022年5月20日 21時) (レス) @page34 id: e3725c1631 (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - え?続きが気になるぅ!!更新頑張ってください! (2021年9月11日 0時) (レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
しっとりチョコがすごく食べたい。 - うぅ……癒しを!!癒しを恵んでください!!更新待ってますぅぅぁぁぁ!! (2021年1月10日 15時) (レス) id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
けい - お話めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2020年12月25日 16時) (レス) id: 54e19010c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麦子 | 作成日時:2018年12月6日 22時