ちょっと強くなりすぎた。2【hpmi】

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途端に身体が固まって、手からスマホが滑り落ちる。

画面にヒビが入るとかケースに傷がつくとか、そんな事は考えてられなかった。


頭の中にフラッシュバックする、あの時(、、、)の記憶。





「うお、近くに落ちたな」

「停電とかならないといいけどな…」





2人が何か話しているけど、それももう耳に入らない。

ドクン、ドクン、と大きく心臓が鳴る。





『……っ、ぁ、』





手が震える。

足に上手く力が入らない。

呼吸が、浅くなる。





「A！」





とうとう崩れ落ちた私を抱きとめたのは、反応の速かった左馬刻さんだった。


頭の中が混乱して、何も考えられなくなっていく。





「A、一回深呼吸してみろ。ゆっくりでいい」





パニックに陥った私を救ったのも、やっぱり左馬刻さんで。


そう優しい声色で言われ、言われるがまま従う。

ゆっくり深呼吸をしている間、左馬刻さんは震える私を抱き締めて、安心させるように背中をさすってくれていた。





「……よし、落ち着いてきたな」





……不思議だ。

この人の腕の中は、妙に安心する。









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