ちょっと強くなりすぎた。2【hpmi】

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「…左馬刻。まさかとは思うが、誘拐……」

「じゃねえよ！！」

『それに近いですけどね』

「ちょっとお前は黙ってろ」





左馬刻の事務所に来た銃兎は、ソファに座りジュースを飲むAを見るなりそう頰を引きつらせた。

左馬刻が食い気味に否定したが、Aの言う通りなのは事実だ。





「邪魔するぞ。…む、Aか」

『あ、理鶯さん！お久しぶりです〜』

「おい待て、何で理鶯には懐いてんだよ」

「100%お前の態度が悪いからだろ」

『私はペットですか』





まるで息ぴったりな漫才師の様なやりとりである。

Aは左馬刻の舎弟達に「アニキに口ごたえできる唯一の女」と噂されているのだが、当の本人が気付くことはない。





「……で。あなた、その格好は何ですか」

『え？左馬刻さんの服をお借りしてるだけですが、何か問題でも？』

「問題だらけでは？？」





はあ？と首を傾げるA。

空になったグラスを持って立った彼女は、体のサイズに合っていないシャツを身につけていた。

余りすぎている袖は所謂萌え袖になっているし、

最早ワンピースのような丈になっている裾からは白い太腿が覗いている。

何故一番大切なズボンを履かせないんだ……と銃兎は頭を抱えた。

まあ一番の問題は、当の本人が何の危機感も感じていない事なのだが。





『だって、左馬刻さんの服大きすぎて動き辛いんですもの』

「別にそんなに動かないんですから、せめて下は履いてください」

『ええ…』

「A、女性は身体を冷やしてはいけないぞ」

『まあ確かに…仕方ないですね』





どうやら理鶯の言う事なら素直に聞くらしい。

ひとまず安心だ…と銃兎は溜め息を吐いた。





「理鶯すげえな…マジ助かったわ」

「？、何か困っていたのか？」

「まあ色々と……ヤバかったな」

「？」





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