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『ふぅ…もうここまで来れば良いでしょ……』
走って走って走って、あのビルからだいぶ離れた場所まで来た。
近くにあった花壇に腰掛けて息を整える。
「はあっ、はあっ、ひぃ、ゲホッ」
『だ、大丈夫ですか観音坂さん！』
「いや、久々、に、こんな運動、したから……おえっ」
『ちょっと待っててくださいね！』
無理をさせすぎただろうか。
荒い呼吸を繰り返す観音坂さんはとても顔色が悪い。
急いで近くの自販機で水を買って来て渡すと、観音坂さんは苦しそうにお礼を言ってペットボトルの半分くらいまで飲み干した。
少し落ち着いたのを見計らって、勢いよく頭を下げる。
『ごめんなさい！こんな風に巻き込んでしまって…』
「あ、謝らないでください！
俺が、俺が悪いんです…チンピラに絡まれたのも、あなたがこんな目に遭ったのも、スーツのボタンが取れたのも、全部全部、俺のせい……」
『えっ、ちょ、観音坂さん…？？』
…ああ、そうだった。
この人は訳の分からん事まで自分の所為にするんだった…
「俺が俺が俺が……」と俯いて呟く観音坂さんからは負のオーラが出まくっている。
『……えーっと…観音坂さん、取り敢えず落ち着きましょうか』
「はっ、すみませんすみません！初対面の方にご迷惑を…！！」
『…ん？初対面じゃないですよ？』
「えっ？」
やっと観音坂さんの顔が上がった。
( ・࿀・ )？って顔をしている。
こういうのを間抜け面って言うのだろう。
まあ無理もない。
マスクは取っちゃったし、初めて会った時と印象は全然違うだろうし。
試しに口元を手で隠してみる。
『覚えてませんか？一ノ瀬Aです』
「？？……あ！！あの時の！？」
『お久しぶりですね』
最初はピンときてないようだったけど、ようやく思い出したのか、観音坂さんはその目をかっ開いた。
なかなかホラーな絵面だ。
「ぜ、全然気付きませんでした……」
『あはは、大体の人はそう思いますよ』
私がそう笑うと、観音坂さんは頰を赤くしてまた俯いてしまった。
なるほど、分かりやすい人なんだな。
私よりずっと年上のはずなのに私より反応が若い気がする。
何でだろう、私が老けてるのか？
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す、滑り込みセーフ！！！
皆さん、今年は本当にありがとうございました！
また来年もよろしくお願いします！
2018.12.31
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みゆ - 続き気になります〜！更新待ってます！ (1月20日 15時) (
レス) @page34 id: 38735f9208 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 続き気になる〜更新がんば (2022年5月20日 21時) (レス) @page34 id: e3725c1631 (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - え？続きが気になるぅ!!更新頑張ってください！ (2021年9月11日 0時) (レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
しっとりチョコがすごく食べたい。 - うぅ……癒しを！！癒しを恵んでください！！更新待ってますぅぅぁぁぁ！！ (2021年1月10日 15時) (レス) id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
けい - お話めっちゃ面白いです！更新頑張ってください！ (2020年12月25日 16時) (レス) id: 54e19010c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麦子
| 作成日時：2018年12月6日 22時
