番外編 5 ページ11
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『疲れた…』
「Aちゃんお疲れ様」
飴村さん達のテーブルに料理を運んだ後、お盆を抱えたまま壁に寄りかかる。
『佐藤ちゃんすごいね、こんなの私できないよ…』
「いや、今日がおかしいだけだと思う」
『そうなの?も〜何で今日に限って…』
「Aちゃんがホイホイなだけだと思うけど…」
『え?』
「や、何でもない」
何を言ったのか気になる所だけど、ちょうどお客さんに呼ばれて佐藤ちゃんは離れて行った。
私は一旦休憩に入る為に店長の元へ行こうとした。
が、
「はあ!?ふざけんなよ!!」
ガタン!!という店内に響き渡った派手な音に動きを止めた。
『何?』
「多分クレーマー…しかも悪質なやつ」
嫌そうな顔でそう言う聖羅。
そう言えば以前、バイト先で迷惑な人が居たとか何とか言ってた気がする。
『……ちょっと行って来る』
「え、A!?」
クレームを付けられてるのは、私と同じく今日から入ったバイトの子だ。
きっと怖い思いをしているに違いない。
ここは度胸が勝負だ。
『どうなさいましたか、お客様』
「Aさん…!」
『戻って良いよ。ここは大丈夫だから』
涙目になっていた彼女の肩を優しく押して戻らせ、ガラの悪いお客様4人組に向き直る。
うーん、いかにもヤンチャしてますって顔だ。
全開の営業スマイルを向けると、案の定4人組は�茲を染めて固まった。
チョロい。
「…お姉さんめちゃくちゃ可愛いじゃん」
「そうだ、この後俺らと遊ばね?遊んでくれたらこの事チャラにしてあげるよ」
…おおっと?クレームからナンパへチェンジですか?
笑顔のままその誘いをガン無視してマニュアル通りに話を進めるが、中々彼らは諦めない。
もういっその事力尽くで外へ出そうか?なんて事を考えたその時だった。
『!』
するり、とスカートの裾から入って来た感触に、思わず肩を強張らせた。
…これ、完全に犯罪だ。
もう我慢ならないので、目の前の男をぶん殴る為にお盆を握る手に力を込める。
「───オイ、あんま調子乗んなよ?」
すると、不意に背後からドスの効いた声が聞こえてきた。
そして次の瞬間には脚を触っていた手が弾かれ、体が後ろへ引っ張られる。
振り返ってみると、そこには2つの頼もしい姿が。
『一郎さん、左馬刻さん……!』
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みゆ - 続き気になります〜!更新待ってます! (1月20日 15時) (レス) @page34 id: 38735f9208 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 続き気になる〜更新がんば (2022年5月20日 21時) (レス) @page34 id: e3725c1631 (このIDを非表示/違反報告)
ベル(プロフ) - え?続きが気になるぅ!!更新頑張ってください! (2021年9月11日 0時) (レス) id: efb845659a (このIDを非表示/違反報告)
しっとりチョコがすごく食べたい。 - うぅ……癒しを!!癒しを恵んでください!!更新待ってますぅぅぁぁぁ!! (2021年1月10日 15時) (レス) id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
けい - お話めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2020年12月25日 16時) (レス) id: 54e19010c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麦子 | 作成日時:2018年12月6日 22時