夢寐 Ⅲ (ページ43)

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シャワーに入りながら俺は
彼女に対する不満で悶々としていた

今日はお互い休みだから
“Aに会いたいな”って思って
珍しく昨日のうちに連絡したのに
“出かけるからまた今度ね”と返事が来て
“Aには寂しいって感情はないの？”と疑問が湧いてくる

どうしても会いたくて
出かける前に家に押しかけるつもりだったのに
急に雨が降ってくるから
傘を持ってなかった俺はずぶ濡れ

インターホンを押したら
Aはすぐに出てきて
やった！会えたと思ったら
“おりちゃんどうしたの？”なんて言われる始末

予告なしに押しかけてるんだから
“どうしたの？”は100歩譲っていいとして
“おりちゃん”と呼ばれたのが嫌で嫌でしょうがなかった

みんなの前で“尚大“って言われるのは嫌だけど
明らかに2人と分かってる空間で
“おりちゃん“と言われのは距離が離れているようで嫌

自分でもわがままを言っていることは分かってるけど
天邪鬼な俺はこれが通常モード

そんな俺をAは好きになったんだから分かるでしょ？と
意地でもAから名前で呼んでもらわないと気が済まない

どうにかして俺のこの気持ちに気づいてもらえないかと
体をシャワーで温めてる間ずっとそればかり考えていた