夢寐 Ⅲ (ページ24)

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最悪の週末になるのが嫌で
さっさとお酒でも飲んで忘れようと
コンビニで適当に買い物する

手にお酒をぶら下げながら
住んでるアパートへと向かうと
私の部屋の前で座り込む人影

誰？と立ち止まり様子を伺うように見ていると
足音で気づいたのかその人がパッと顔を上げる

『Aちゃん！久しぶり！』

私の顔を見て嬉しそうに手を上げ声をかけてきたのは
4つ下で幼馴染の光輝くんだった

「はい、どうぞ。」

先ほど買ってきたお酒を光輝くんの座る目の前に置き
自分の前にも同じくお酒を置くと光輝くんの隣に座った

『Aちゃんがお酒なんて珍しいね』

たまにこうして遊びにくる光輝くんは
私があまりお酒を飲まないことを知っていて
目の前に置いてあるお酒に目を白黒させている

「ちょっと飲みたい気分でねー」

“はい、カンパーイ”なんて言って缶をぶつけ合う
先程の出来事を光輝くんに話すのはどうかと思い
訳は言わずにどんどんお酒を流し込んでいく

そんな私をジッと見てくる光輝くんは
心配そうな表情をしててちょっとだけ申し訳ない気分になる

『Aちゃん、俺、話聞くくらいなら出来るよ？』

そうは言っても年下の光輝くんに頼るのは気が引けて
新しい缶に手を伸ばした