廿捌、『潰されて』 ページ28
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いつまで経っても君は私を子供扱いする。
それもそれでアレだけどさぁ……
「仲良くしないの？」
「何とだよ」
「「何」じゃないよ「誰」とだよ。善逸くん」
「あ"ぁ？」
「(いや〜ん怖〜〜)」
名前を言っただけでそうもキレるかね。
沢山の桃が実る木に囲まれた地にて、大きな石の上に我が物顔で座る彼の側で石に凭れかかる。
＿＿_＿＿君は兄弟子なんだろう？もっと弟弟子である善逸くんに慈悲を持って接するべきだと思うの。仲良くしようぜ？私あんな雰囲気でご飯食べんの嫌だよ。
「(……って口に出したら絶対「うるせぇ」で終わるだろうからやめよ)……あ、桃くれるの？ありがと」
「何で俺があんなカスと仲良しごっこしなきゃなんねぇんだよ」
「えっ……私口に出してた？」
「出なくとも分かんだよ馬鹿が」
「馬鹿って言った方が馬鹿なんだぜ兄ちゃん」
「だとしてもお前よりはマシだ阿呆」
……馬鹿やらアホやら滅茶苦茶に言われるんだけども。
うるせー頭の回転は鈍くても人並みの知性は持ち合わせとるわいと桃に齧り付く。甘味が口いっぱいに広がった。
「折角出来た初めての弟弟子なんだよ？」
「俺は認めねえ。あんな泣き虫の意気地無しなんざ絶対に」
「善逸くん、良い子だよ？確かに泣き喚いたりするけど、前に遅くまで起きて特訓してるとこ見たしさぁ。君と同じく努力家だよ、あの子は」
「……おい、」
「泣き言言うしぴーぴー泣くし逃げ回るしめっちゃ求婚してくるけど、そんな蔑ろにしなくても良いと思う。あとあの子さ、花かんむり作るの得意なんだよ。可愛くない？」
「黙れ、」
「一生懸命なところは評価できる。君と同じ直向きな子だし、あっちも歩み寄ろうとしてんだから君も」
「うるせぇんだよさっきから！！黙れや！！！」
突然。獪岳くんは大声で怒鳴り、持っていた桃を私に向かって振り被る。
視界の隅でそれを認識し、ビビった私は咄嗟に両手で顔面を守った。
「………？」
しかし、いくら待っても襲い掛かるであろう衝撃は来ない。
恐る恐る両手を下げて前を見る。彼は桃を振り被った状態で止まっていた。
「お、お兄ちゃん……？」
若干ビクつきながらも問いかけてみると、彼は不機嫌そうに顔を歪め、大きく舌を打つ。
「二度と俺の前でアイツの話をするな」
そう吐き捨て、彼は石から降りて去って行く。その背を見送り、ふと下に目線を向ける。
地面には、無残に潰された桃が一つ落ちていた。
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�桟鈬�(プロフ) - コメ失礼します！メチャクチャ好きです！！(唐突)更新頑張ってください！ (2020年11月2日 17時) (
レス) id: a8b4b5bef5 (このIDを非表示/違反報告)
葵羽(プロフ) - 獪岳の存在が気になりはじめたのはぱんこさんのおかげです！更新楽しみにまってます！応援してます！ (2020年3月23日 17時) (レス) id: bccf6ec4c9 (このIDを非表示/違反報告)
零華 - 初コメ失礼します！！。最&高のウィンウィンです！！(何いってんだろうか)更新再開するのを楽しみにしています！！。(*^^*)ｶﾞﾝﾊﾞﾚ! (2020年3月18日 7時) (レス) id: f56491ae0c (このIDを非表示/違反報告)
アムネ(プロフ) - すごく面白いです。続きが気になります！更新再開するのを願ってます。 (2020年1月8日 19時) (レス) id: 9a6a9cf4a1 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - めっちゃ好きです！頑張ってください！ (2020年1月3日 15時) (レス) id: 57c609d2c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱんこ
| 作成日時：2019年10月16日 16時
