黒雷の彼に着いて行ったら、人生ハードモードと化しちゃった話。【鬼滅の刃】

拾捌、『心の内は君を求め』 ページ18

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「此処でいいか」



はい、薄暗くて割と小綺麗な路地裏。
よくあるやつな、うん。今すぐ逃げ出したいよ！！！！


因みにここまで連れて来られる途中、同じような境遇の孤児たちが地べたに転がってたり座ってたりしていて、ともかく数人の子達と目が合った気がするが全員に無視された。

……巻き込まれたくないもんな、私も絶対そうする。誰も好き好んでこんな現場に首を突っ込んでさ、自分がターゲットになりたくないもんね。



私もずっと、そういう生き方をしてきたから分かる。



「このくらいの年齢の女は初めてだからなぁ……痛えと思うけど我慢しろよ？あ、声は我慢しなくて良いからな」

「泣き叫ばれるくらいなら口塞いどけよ。子供のキンキン声嫌ぇなんだよ俺」

「じゃあお前の時は縛っときゃ良いだろ」



恐ろしい会話が目の前で繰り広げられている。
比較的綺麗な地面に転がされ、覆い被さられた。どうする事も出来ず、ぎゅっと目を瞑る。

荒い息が頰に当たる。生暖かくて若干酒気帯びた其れに吐き気すらしてくる。肩に手を掛けられた。触り方が気持ち悪い、やだ、やだ誰か





＿＿＿＿＿＿助けて、





「たすけて、おにいちゃん」







ザリ、と、微かに砂利を踏む音が聞こえた。



そして次の瞬間、ガン！！とどでかい音が聞こえた。
重い物で重い物を力任せに殴りつけたようなその音。その後、何かがどしゃりと崩れ落ちた音も続き。



崩れ落ちたそれ＿＿＿＿下卑た笑みを浮かべて此方の行為を眺めていた片方の男が地面に転がり、頭から血を流していた。



その背後に、漬物石程の石を持ち、若干息を切らしている獪岳くんの姿があった。私の姿を目に映し、「Aっ！！」と声を上げる。



「か、いがく、くん」



呟かれた声は、やけに小さく震えていた。


目の前に覆い被さっていた男が「てめぇ、何しやがる！！」と激昂した様子で立ち上がる。
その隙に私は上半身を起こし、脱がされ掛けた着物を正す。

その時、どん、と音がして、目の前で男が転がっていた。男を突き飛ばしたらしい獪岳くんは直ぐさま体勢を立て直し、私の元へ来ると私の手を取って、叫ぶ。



「逃げんぞ！！」



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