【半刻、語らえ】*栗花落カナヲ[弐] ページ9
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話が逸れまくったので、戻す。
「何話そうねぇ」
「………」
「安直に、好きな人とか話す?」
「………?すきな、ひと」
「そう!カナヲちゃんいる?教えて〜!」
「蝶屋敷のみんな」
「アッ……そうだよね、私も好きだよ蝶屋敷の皆さん……」
「!……うん」
純粋な眼差しで、嬉しそうに頷くカナヲちゃん。いや確かに好きな人ってか、大切な人たちだけども。
「じゃ、じゃあ、異性ではどう?例えば炭治郎くんとか……ってどうしたのカナヲちゃん!!足痺れたの!?」
「……ち、違」
私が炭治郎くんの名を出した途端、何故か彼女はひっくり返った。
卒倒したのかとビックリした私は思わず彼女に駆け寄る。彼女は滅茶苦茶動揺した様子で首を振っていた。
やがて起き上がり、今度は黙って下を向いてしまった。えっ……どうしたのカナヲちゃん……もしかして、
「(もしかして、たんじろきゅんの事……?)」
彼女は未だジーッと畳を見つめている。その間も無言である。
「……炭治郎くん」
「!」
「ってさ、すっげえ男前だし優しいよね」
「………」
やっぱり反応する。微かだけど、ピクッと動く。
反応可愛すぎかよ好き〜〜〜!!!愛しさすら湧いてくる〜〜〜!!!
「彼には沢山助けてもらったんだよね。最終選別とかも一緒に戦って、鬼を斬ってくれてさ。強いんだよな、あの子。強くて優しくて男前って、何処に欠点があるんだろうね」
「………うん」
「蝶屋敷での訓練もさ、あの子に滅茶苦茶精神面支えられたなぁ。仲間がいるのって本当良い。スッゴイ助けられた。勿論カナヲちゃんにも助けられたよ!あの時は本当に有難うね!」
「う、うん……」
彼女の細く、しかし年頃の娘より硬く骨張った手を握る。彼女の強さを感じられる手。……私も貴女のようになりたい。可憐でいて滅茶苦茶強い、そんな彼女のようになる事が私の目標なのである。
「…………わ、私も……自分の言葉で……」
「え……?」
「……この銅貨を使わないで、………自分の言葉で話す、きっかけ………あの人がくれた」
「……ほう、炭治郎くんが」
彼女は辿々しく、でもしっかりと「自分の意思」で話し始めた。
出された銅貨。彼女は大切そうにぎゅっと握り締める。
私はそっと、彼女の手を握った。
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葵羽〜best friend group〜(プロフ) - カナヲちゃんが可愛すぎる件についてッッッ!ぱんこさんの○○部屋ホンッッットに大好きです! (2020年8月26日 16時) (レス) id: bccf6ec4c9 (このIDを非表示/違反報告)
秋花(プロフ) - リクエスト失礼します!不死川実弥さんでDキスなど強引&激甘が拝見したいです!お忙しい中大変恐縮ですがよろしくお願い致します! (2020年2月17日 2時) (レス) id: 543d736c91 (このIDを非表示/違反報告)
ちか - リクエスト失礼します 善逸の壁ドン、Dキス…善逸とのぎこちない感じがいいです。お忙しいと思いますがリクエスト聞いてもらえると嬉しいです (2020年1月21日 19時) (レス) id: 0b48e21538 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - リクエスト失礼します!!義勇さんで口移し…とか…甘めがいいです!!お忙しいでしょうがお願いします!!いつも楽しみにしています!!ありがとうございます! (2019年10月25日 22時) (レス) id: e4c2e9d2f5 (このIDを非表示/違反報告)
なしなつ - 炎柱わっしょい!!!!!!!(鼻血) (2019年10月15日 15時) (レス) id: 567b9ad697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年9月8日 22時