社会人(仮)、「○○しなきゃ出られない部屋」に閉じ込められたの巻、弐【鬼滅の刃】

【Dキスをしろ】＊煉獄杏寿郎［参］ ページ5

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「む、開いたぞ天夜少女！」

「………」

「いつまで悶えている気だ天夜少女！加減はした筈だ、立て！」

「いやほんときちくかあんた……」



鬼の所業だぞそれ……と呟いた。
そしたら直ぐに「俺を鬼と同列に扱うな！」と厳しい声で言われた。いや急に厳し、ええ？



「しかし君がそうなってしまったのは俺の責任でもある。俺が背負うべきだな！遠慮なく乗りなさい天夜少女」

「………………煉獄さん」

「ん？どうした」



「【命令】、更新されました」



私がそう呟いた直後、ばん！と扉が閉まった。
瞬時に反応した煉獄さんは刀を構えた。「近くにいるのか？いや気配は無い、血鬼術によるものか？」と彼は辺りを見回すが、そんな事もないんです、煉獄さん。事態はもっと単純なんです。





【Dキスをしないと出られない部屋】





「……………？？？」



今度こそ、彼は訳も分からないと言った様子で首を傾げていた。
【命令板】を見て、「何だあの記号は？」と呟く声が聞こえた。「D」のことだ。記号じゃないんだよな、記号に見えるけど立派な文字なんだよな。


そして恐らく「キス」も分かってないらしい。カタカナ表記だし英語だもんね、パンケェキ等ならともかく、キスみたいな破廉恥な言葉はこの時代に浸透してないんだな。



「煉獄さん。アレの意味は分かりますか」

「そう言う君はまるで知っているかのような口振りだな」

「ええ、知ってます。……教えてあげましょうか？」

「ああ、教えてく」



れ、と言い切る前に、彼の胸倉をぐっと掴んで私からキスしてやった。別に先程の事を根に持ってる訳ではない。訳ではないが、腹が立ったのでなんかもう今度は煉獄さんが変な面晒せ！と思った。
完全に根に持ってますはい。



「(どうだどうだ、アホ面晒せ！吃驚仰天しろ！)」



ニヤッと笑い、目を開ける。
今頃絶対驚いて、………いやめっちゃガン見されてんだけど！！！しかも無？無表情！？！？

腕を掴まれた。唇が離され、しかしグッと顔が近付けられる。



「接吻、という事か？」

「！」

「しかし開かないのは何故だ？あの記号……意味は不明だが、「それ以上」という訳か？」

「………」

「黙りか。ならば俺の憶測かどうか試させてもらうぞ」



そう言い彼は、完全にビビって(やっべ火ぃ付けちまった……！！)と顔を背けようとした私の頰に手を添えた。







「自ら仕掛けておいて逃げる気か？」



何処までも冷静な声が、部屋に木霊した。



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