【壁ドンしろ】*黒死牟[肆] ページ14
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【壁ドンしないと出られない部屋】
(黒死牟編[壱]〜[参]の続きです)
いや、なん、何で、またこのひ、いや鬼。
途轍も無い衝撃と途方も無い恐怖により脳内ですら上手く呂律が回らない。
「………また、お前か……」
「……っ、……」
はい、喋れません。
脳内で喚き散らしてますが、口から出すには言葉より先に心臓が飛び出そうなのでお口はミッフ○ーちゃんにしておきます。懸命な判断。
目の前の鬼、前にこの部屋であった時は猫耳猫尻尾の2点セット装着という可愛さ満点な格好をしていた彼、上限の壱さんである。
前は何の慈悲なのか殺されずに済んだのに、なんでまたエンカウントしてしまった??
今度は奴は立っていた。立ったまま、己より幾分か背の低い私を見下すように見下ろしていた。
ひく、と顔の筋肉が引き攣った音がした。
いや流石に音はしてないけど、なんかそんな感じがした。
鬼殺隊の名が泣くとは思うが、どう考えても勝てない相手にどう立ち向かえば良いんだ。死に急ぎ野郎にはなりたくない、故に刀が握れない。
「(ま、また、あの【命令】を、実行すれば終わるのだろうか)」
震えながら目線を下にやる。
鬼の足が見える、よく見る草履。鬼の癖に、何故人間の真似をしているんだ。
「……娘」
「、はい」
「……【彼れ】の意味を……お前は……知っているな」
「…………はい」
その通りです、と。小さな声で呟いた。
顔を上げようとして、止めた。
目を合わせたくなかった。あの六つの目。今も私を見下ろしている事だろう、悍ましくて仕方が無い。
この鬼は恐らく、今は私を殺さないだろう。
この鬼の掌に、私はいる。
コイツの大きな手に、私の命は握られている。
命を懸けてコイツをここに閉じ込める勇気が無かった、少しでも寿命を引き延ばしたかった、例え数分の命だったとしても、それでもまだ死にたくは無かった。
______なんて、情け無いのだろう。
ゆっくり後退る。
数歩下がれば、背にトン、と軽い衝撃。
壁に、背を付けた。
「私の顔の横に、手を、壁に付けてください。………それだけです」
それだけ。
それだけで、私の短い生は終わりだ。
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葵羽〜best friend group〜(プロフ) - カナヲちゃんが可愛すぎる件についてッッッ!ぱんこさんの○○部屋ホンッッットに大好きです! (2020年8月26日 16時) (レス) id: bccf6ec4c9 (このIDを非表示/違反報告)
秋花(プロフ) - リクエスト失礼します!不死川実弥さんでDキスなど強引&激甘が拝見したいです!お忙しい中大変恐縮ですがよろしくお願い致します! (2020年2月17日 2時) (レス) id: 543d736c91 (このIDを非表示/違反報告)
ちか - リクエスト失礼します 善逸の壁ドン、Dキス…善逸とのぎこちない感じがいいです。お忙しいと思いますがリクエスト聞いてもらえると嬉しいです (2020年1月21日 19時) (レス) id: 0b48e21538 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - リクエスト失礼します!!義勇さんで口移し…とか…甘めがいいです!!お忙しいでしょうがお願いします!!いつも楽しみにしています!!ありがとうございます! (2019年10月25日 22時) (レス) id: e4c2e9d2f5 (このIDを非表示/違反報告)
なしなつ - 炎柱わっしょい!!!!!!!(鼻血) (2019年10月15日 15時) (レス) id: 567b9ad697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作成日時:2019年9月8日 22時