社会人(仮)、「○○しなきゃ出られない部屋」に閉じ込められたの巻、弐【鬼滅の刃】

【壁ドンしろ】＊猗窩座［壱］ ページ11

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リク有難うございます。《拾参》
(4名続きます。最早シリーズですよろしくお願いします)





【壁ドンしないと出られない部屋】

(※色々と注意)
(※甘さは皆無です)







内臓が潰れた音がした。
口から生温かい何かが溢れる。

赤いそれは、紛れも無く私の血である。



「俺は弱者が大嫌いだ」



そう言って、奴は床に転がる私の背を踏み付けた。
折れた肋骨がギジリと音を立てた。何度目か分からない吐血をする。途轍もない激痛に呻き声を洩らす。


骨が内臓に刺さって、ごぼりと音を立てて口から血を吐き出す。
また、地面に赤が広がった。



「弱者であるお前を、俺は何の躊躇いも無く殺せる」



ぐ、と力が込められた。
みしみしと音が鳴る。

苦しさのあまり、惨めに蠢く私を見下ろす奴の目に、私は一体どう映っているのだろう。


恐らく、虫螻としか思ってないんじゃないか、と思う。



「女、答えろ。アレは何だ。【アレ】の意味を教えろ、さもなくば今すぐ殺す」

「……っ、ぁ、ぐ……ッ、は、あ"……」


「……チッ、これだから女は嫌いだ。脆くて壊れやすい、無駄な抵抗などするからだ、この愚図が」



胸倉を掴まれた。
狭窄した視界の中で、奴の苛立った顔が見えた。


…………意味もなく私をボコって、意味の分からない【アレ】を無視して、意味を知る私を痛めつけた罰だ。
【アレ】の意味を知らぬまま私を殺して永遠に閉じ込められろ。お前は鬼だ、文字通り永遠の時を過ごせ、独りでな。ざまあみろ。



因みにアレとは「壁ドン」である。こんな緊迫した状態の中「壁ドン」というワードに違和感しかないが、状況が状況なので無視する事にする。というか今にでも私死にそう。多分数分で死ぬ。血をたくさん吐き出したし、肋骨も肋三兄弟を馬鹿にできないほど折った。その骨が内臓に刺さっている。つまり死だ、


望む事なら、もっと安らかに眠りたかった。
こんなクソ横暴な鬼の前で死にたくない。こんな私を羽虫程度にしか思っていない鬼の前で、無様に死ぬなんてそんな、そんな酷い話はない。



ごほ、とまた血を吐き出した。そろそろ限界である。肉体はとうに生命維持を放棄しかけている。脳内ではこんなに喧しく騒いでいるが、もって後少し、か。


一回死んだからかな、死ぬ事がそんなに怖くない。
寧ろ今が滅茶苦茶苦しいから早よトドメ刺せよとさえ思っている。

笑える。こんな余裕あるならもっと、抵抗するべきだった。



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