ライラックの花束を【2】 (ページ38)

今日:12 hit、昨日:20 hit、合計:106,789 hit

その後。～2-2～ページ38

・

「花屋さん？」

「そう。ここでその…花買ってた」

「…あ、」

学生の時、演奏会のたびに

そして、想いが通じ合ったあの日も。

海斗は事あるごとにお花をくれていたけれど

「こんな素敵な場所、よく見つけたね」

「だろ？絶対Aをいつか連れてきたくて。」

入ろ、と優しく手を引かれ店のドアを開ける

すぐに花の甘い香りと

「いらっしゃいませ。…あ、お久しぶりですね」

優しそうな綺麗な顔立ちの店員さん。

「お久しぶりです、今日は彼女を連れてきました」

改めて彼女と紹介されるのは未だに慣れなくて
ペコリと頭を下げると店員さんが優しく微笑む

「！もしかして、ライラックの？」

閃いたように店員さんが目を輝かせる

「そうです。高校の時からお世話になっていたから
ちゃんと紹介したくて。」

「想いが伝わったんだね、おめでとうございます」

「のえるさんにいつも一緒に選んでもらってたんだ」

なるほど、それでこの親しさなわけか。

「私達の恋のキューピッドだ」

「恋のキューピッドか、嬉しいなそれは」

のえるさんがニコニコと笑う

「私達2人にぴったりなお花、ありますか？」

お花屋さんの雰囲気と今までのことを思い出して
気付いた時には口を開いていた

「そうだな～…これとかどうかな？」

そう言って渡されたのは

青のヒヤシンス。

「綺麗な色…ねえ、海斗。」

「これください、おうちに飾ります」

花言葉は、

『変わらぬ愛』

追記:12/10
後日談を気まぐれに書き始めました！
よければ、こちらもよろしくお願いします！

Sweet Memories
http://uranai.nosv.org/u.php/novel/mmktmnm92411/