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" 写真科展示会ぜひお越しくださいましー"
そんなLINEが来たのは昨日の事。
少しだけ休憩して、ぼちぼちとバイトも復活しようかなぁと思っていた頃だった。そんな康二くんのLINEのホーム画は撮影会の時にバイト以外で集まることもないのでせっかくならと3人で撮った写真。お気に入りらしい。
「Aちゃん」
授業を終えて建築棟を出た直後、またまたひょこっと現れたこの人。
今日木曜日だけど…サークル行かないの？
「あれ、今日木曜……」
「なんかねー別のサークルが特別に使ってるんだってー、だから今日お休み」
だからAちゃんに会いに来たーってピースする佐久間くん。そんな、特に用もないんだから帰ればいいのに。
「今日もバイトー？」
「いや、バイトはないけど…」
「じゃあ一緒にご飯食べよー！夕食限定メニューうまいよ〜」
「あ、いや…ちょっと見に行きたいのがあって」
恥ずかしさはあるけどせっかくなら見たい。彼からのLINEを受けて今から写真棟に向かう予定だった。目黒くんにもどんな感じか教えてって言われてるし、木曜だから康二くんもいたりしてって。
「ん？どこ？」
「写真、知り合いが展示してるから」
「へー！じゃあ俺も行く！」
「え」
思ってもなかった返しにフリーズする。
知らない人ならまだしも、少なくとも顔見知りになってしまった彼に自分の写真見られるのは恥ずかしい。
でもこうなった佐久間くんはもう何を言っても聞かないから……いや、なんで私この人の事こんなに把握しちゃってるの。
渋々一緒に写真棟に向かう。
写真棟はこの大学の中でも作りがオシャレできっとこうやって写真を飾るのを見越してるんだろうなと思うと。雰囲気が出る。
「すっげー、写真棟初めて入ったけどおっしゃれー」
佐久間くんは足を踏み入れた途端周りを見渡して感嘆の声を上げた。そのままよそ見して転べばいい、なんて考えながらイーゼルに2年展示と書かれたボードを見つけてそこに向かう。
入るとこんにちはーってスタッフの学生が声を上げた。どーもーって機嫌よく答えた佐久間くんはまたもや楽しそうに周りを見渡している。ふわふわした髪の毛が相まってほんと犬みたい。
「すごいねー、そこに課題テーマ人って書いてあったけどみんなモデルさんみたい」
彼の言葉にこの先にあるであろう私と目黒くんの写真を思い浮かべる。多分誰よりもモデルなあの人の隣にいるのは私なんだよなー……恥ずかしい。
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作者名：ぽぷら
| 作成日時：2021年5月20日 2時
