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「阿部ー?あ、いらっしゃいませ」
そんな会話をしていると奥のキッチンの方から誰かがやってきた。私に気付いてにこやかに会釈をするとお兄さんに話しかける。
「閉めてきていい?」
「あ、うん。ありがと」
その人は外に出てプレートをひっくり返した。あれ、もうそんな時間。
「あ、すみません!出ますね」
「いやいや!大丈夫ですよ、ゆっくりしてってください。せっかくまた来てくれたんですし」
「でも後片付けとか…」
「今日そんな混んでないので大丈夫ですよ。暇してたくらいなんで。笑」
お兄さんはそうだ!とカウンターの隅っこの方へ。そして戻ってくると何かを私のコーヒの横に差し出した。
「よかったらどうぞ。店のものでも何でもないんですけど。笑」
それは小分けになっているクッキーだった。多分スーパーとかで売ってるようなチョコチップクッキー。
「あ、ありがとうございます…」
「僕もコーヒー飲んでいいですか?」
彼はそう言いながら緑色のエプロンを取った。
「あ、全然」
「自分で言うのもなんですけど、うちのコーヒー美味しいんですよ。だてさーん!コーヒー飲むー?」
そう言って自分のコーヒーを淹れだしたお兄さん。入り口付近の戸締りと軽いお掃除をしてたお兄さんにそう呼びかけながらカップを取り出した。
「ん?知り合い?」
「うーん、今知り合ったかな」
「そっか」
彼とは対照的に黒髪でストレートのお兄さん。さっき裏から出てきたときは赤いエプロンをしていた。2人分のコーヒーを淹れた彼はその人にカップを差し出してからカウンターを抜けた。そして何故か私の隣に。
「僕、阿部亮平って言います。これも何かの縁ですし仲良くしてください」
「あべさん、」
「この人は僕の高校の同級生で、料理の専門学校行ってたのでここ作るときに声かけて」
「宮舘です、どうも」
「どうも……」
宮舘さんは私に微笑んで軽く解釈。そしてコーヒーを飲みながら中のキッチンへと入っていった。
「お名前聞いてもいいてすか?」
「あ…潮田です」
「下は?」
「A……」
「んー、失礼かもしれないけどおいくつですか?」
「えっと、25」
様子を伺うように年齢を聞いた阿部さん。そしてまたぱぁと顔を輝かせて笑った。
「同い年!僕も25です。」
「あ、そうなんですか?」
「正確に言うともうすぐ25?あ、早生まれだったりします?」
「いや」
「よかったぁ、ちゃんと同い年」
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ぽぷら(プロフ) - お風呂場の狸さん» いつもコメントありがとうございます!また泣かせちゃった…(笑)お楽しみいただけたようで嬉しいです。寒くなってきてお仕事だとか、朝起きるのも億劫な季節ですよね。お互いに頑張りましょうね( ; ; )こちらこそありがとうございます! (2021年12月19日 16時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
お風呂場の狸(プロフ) - めちゃめちゃ泣きながら読んでいま全てを踏まえて読み返してます……ほんとに天才です最高です……今日も6時半起きで仕事なのに一気読みしちゃいました……!今週一週間も頑張れそう(;-;)とても面白かったです!ありがとうごさいます!!! (2021年12月13日 2時) (レス) @page17 id: 0d3b8981e3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - aggyさん» お読みいただきありがとうございます!どうなるんですかねにやにや(笑)駆け足になりますが彼らを見届けてくださいね!コメントありがとうございます(^^) (2021年11月29日 1時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - コメント失礼致します!いつもお話拝見させて頂いてます。今回のお話、読んでてニヤニヤしちゃいます笑笑今後の展開楽しみにしてます! (2021年11月27日 20時) (レス) @page50 id: 4fbf4fb7f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽぷら | 作成日時:2021年11月26日 11時