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お腹すいたーって亮平くんから受け取った何かを広げ始めるラウールくん。バンダナに包まれたそこからできてきたのはおにぎりが1つと軽いおかず。
受験生っぽいなぁ
「はい」
「ありがとう」
「勉強見てあげてるの。って言ってもラウ頭いいからそんなに教えてあげることもないんだけどね」
「さっきすごい頭いいってラウールくん言ってた」
「あはは、うーんまぁちょっと頑張ってはいたかな?」
「何言ってんの、ちょっとどころじゃないって。あべちゃんやばいんですよ?」
「いいから、早く食べて勉強するよ?」
おにぎりをもぐもぐしながら彼の凄さを語り出したラウールくん。恥ずかしそうにあしらう亮平くんも何だか可愛らしい。
「Aさん、○○大って知ってる?」
「え、うん。この辺じゃ一番有名」
「阿部ちゃんそこ出身。しかもトップ」
「え」
びっくりだ。この辺だけじゃなく全国的に見たって入るのが難しいところだ。しかもトップ…?
「すご……」
「ちょっとやめてよ…笑」
「いや凄いって」
「この辺で経営勉強できるのがたまたまそこだっただけ」
「そのノリで入れるようなとこじゃないでしょ!しかも大学通いながらカフェ開業の計画立ててって簡単にできることじゃないからね?うちの高校去年誰もそこ受かってないし!」
「もう、いいから早く食べて。遅くなったら親御さん心配するでしょ!」
阿部ちゃんとこなら安心ってママ言ってたしーなんて言いながら最後の一口を食べてリュックを漁り出したラウールくん。
いやでも確かに凄い。私と同い年でカフェをやってるなんて逆算してみると相当若い頃から色々やってたんだろうし。個人事業主ってことだもんね、私にはそんな勇気出ないや。頭もいいし、行動力もある。
彼は柔らかい雰囲気とは裏腹に実は物凄く男らしい人なのかもしれないと思った。
「いやそんな見つめないで?照れるって。笑」
「あ、ご、ごめん…凄いなぁって……」
「あんま褒めないで。笑」
手で軽く顔を隠して困ったように笑ってる彼。
「阿部ちゃんあざとーい」
「何がだよ。笑」
「ねぇAさん、あざといよね?わざとらしくないからずるいよねー」
「ラウ?教えねーぞ」
「ごめーん」
あぁそっか、なるほど。この人あざといのか。
しっくりくる形容詞(?)を見つけて勝手に納得。
ただラウールくんに対するちょっと悪めな口調を聞いてこの人はやっぱりずるいと思った。
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ぽぷら(プロフ) - お風呂場の狸さん» いつもコメントありがとうございます!また泣かせちゃった…(笑)お楽しみいただけたようで嬉しいです。寒くなってきてお仕事だとか、朝起きるのも億劫な季節ですよね。お互いに頑張りましょうね( ; ; )こちらこそありがとうございます! (2021年12月19日 16時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
お風呂場の狸(プロフ) - めちゃめちゃ泣きながら読んでいま全てを踏まえて読み返してます……ほんとに天才です最高です……今日も6時半起きで仕事なのに一気読みしちゃいました……!今週一週間も頑張れそう(;-;)とても面白かったです!ありがとうごさいます!!! (2021年12月13日 2時) (レス) @page17 id: 0d3b8981e3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぷら(プロフ) - aggyさん» お読みいただきありがとうございます!どうなるんですかねにやにや(笑)駆け足になりますが彼らを見届けてくださいね!コメントありがとうございます(^^) (2021年11月29日 1時) (レス) id: 0e689a64ff (このIDを非表示/違反報告)
aggy(プロフ) - コメント失礼致します!いつもお話拝見させて頂いてます。今回のお話、読んでてニヤニヤしちゃいます笑笑今後の展開楽しみにしてます! (2021年11月27日 20時) (レス) @page50 id: 4fbf4fb7f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽぷら | 作成日時:2021年11月26日 11時