33 寂しさは人生につきもの ページ34
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土方さんが居ない真選組を思い浮かべてみると、そりゃまぁ悲惨すぎる絵面。
犯人はロープでぐるぐる巻きにされた挙句鼻フックをかけられ、犯罪組織のアジトにはバズーカがぶち込まれる。
そして周辺には破片やら何やらが降り注ぎ、近隣住民から凄まじいクレームを受けて真選組は解散…、
なんてのは流石に大袈裟だけど。
まぁもしそんな事があったとしたら、その大半の原因は確実に沖田君であろう。
現にバズーカで建物倒壊したっていうのは前科あるからね。
沖田君のヤバさを改めて思い知ったところで、ふいにさっきの謎発言を思い出した。
この歳になると、甘えるとは一体何をする事なのかすら分からなくなってきてしまう。
私も小さい頃は兄貴や両親に甘えていたのだろうか___そう思い、懸命に昔の記憶を探った。
すると、母の何気ない一言が頭に蘇る。
’’ 寂しい時、誰かにそれを言うだけでも、寂しさが和らぐの。
本当不思議よね___ ’’
感情を溜めるのはよくない、と決まり文句のように言っていた。
たまには溜まったものを吐き出せというのなら……きっと今くらいしかできない。
『…あの、旦那』
「ん」
体は廊下を向いたまま、首から上だけをこちらに向けた旦那。
意を決して、知らぬ間に心の内にたんまりと積み重なっていたその感情の名前を口にした。
『………私、寂しいんですけど』
___やっぱり変だったかな。
いい大人が寂しい、なんて。
表情に変化が無い旦那を見てついそう思ってしまう。
やっぱり今の発言は無しで……そう口を開こうとすると、旦那は立ち上がり私の目の前へ来て。
「…何してほしーわけ?」
『え? な、何って…』
「いいから答えろ」
『えーと…その、甘えさせてほしい、んですけど』
特に包み隠すこともなく、馬鹿正直に言ってみる。
ここまできたら、もう無駄に意地を張るのはやめだ。
プライドを捨てて…って、私プライドのプの字も無いんだけどね。
旦那は少し間を置くと、
「…多分、お前が求めてる甘えと、俺の考える甘えは違ぇと思うけど」
『寂しさが和らぐならなんでもいいんです! 変な事はお断りですけど!』
「…んじゃいいよな」
何が、と聞く前に背中に腕が回され、驚く間もなく旦那の方へぐいっと引き寄せられて。
気が付くと旦那の腕の中に収まっていた。
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スージー・ズー - すみません!間違えました!銀ちゃんサイコー!って書こうとしたんですけど…笑 (2017年8月10日 21時) (レス) id: 277f6daa72 (このIDを非表示/違反報告)
スージー・ズー - んサイコー! (2017年8月10日 21時) (レス) id: 277f6daa72 (このIDを非表示/違反報告)
きょう - めっちゃ面白いです!!!銀ちゃんかわいい(((o(*゚▽゚*)o))) (2017年5月18日 21時) (レス) id: 667d20a7e0 (このIDを非表示/違反報告)
気空(プロフ) - 漆黒のラーメンさん» ありがとうございます!! 頑張りますね( ´-` )*゚ (2017年4月1日 12時) (レス) id: f4d2ff8c45 (このIDを非表示/違反報告)
漆黒のラーメン - クッソおもしろいです!!!!! 頑張ってください!(*´∀`) (2017年3月31日 19時) (レス) id: dd18b39158 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:気空 | 作成日時:2017年3月20日 18時