Last ページ11
.
「私ばかりじゃなかったんだ」
「え、」
一瞬、言葉の意味が解らなかった。
「私もね、ジョングク君が好きになっちゃってた」
予定外や予想外が起これば、想定外だって起こるんだ。
初めて会った時はまだ中学生だったし、口下手っぽかったけど私を『ヌナ』って慕ってくれて嬉しかったのもあって弟みたいに可愛かった。
高校生になったらすごくカッコよくなっちゃってて、びっくりしたの。
それでも変わらずお店に顔出してくれるし、いつの間にか逢う事が楽しみになっちゃって。気づいたら弟って思ってたはずの感情が形を変えていて、意識するようなってて……。
「でもお客様だし学生さんだし、何よりヌナだし釣り合わないなって思ったから、ひっそり想っていようって思ったの」
俺のプレゼントをカバンの中にしまい、優しくカバンを撫でてそう教えてくれた。
言葉にならないくらい嬉しかった。
Aヌナも、俺を好きでいてくれてた。俺の努力は無駄じゃなかった。
俺がヌナを想い続けていた時間のどこかで、ヌナも同じように俺を想ってくれていたって知れて泣きたいくらい嬉しかった。
「俺達、両想いだったんだ」
「そうだね……両思いだったね」
ふわふわの笑顔のヌナの頬にキラッと光るものが伝った。
その跡に親指をそっと擦り付けて拭き取ると、恥ずかしそうに顔を伏せたヌナ。
急にすごく抱き締めたい衝動に駆られ、恐る恐る背中に腕を回して抱き寄せた。
心臓の音が聞こえるくらい緊張してぎこちなくて、カッコよくなかったかもしれないけど、ヌナはやっぱりそんなの気にはしてなくて。
「ありがとう、ジョングク君」
「ん？」
「私を好きになってくれたことと、誕生日プレゼント」
嬉しそうに微笑んで、俺の肩に額を預けてくれた。
「来年は俺がご馳走するから、誕生日プレゼント、楽しみにしてる」
「……うん！」
ヌナの手に指を絡めぎゅっと握って。
それが合図になったように顔を上げたヌナの頬に軽く口づけた。
「ふふ、ポッポなんだ？」
めちゃくちゃ恥ずかしくて真っ赤になってしまった顔を軽く反らして、見せないようにしてるのに、ヌナの余裕なのか、すげー揶揄かってくる。
「……まあ、その……外だし？」
……いきなり唇っていうのはやっぱり俺にはハードルが高いから、新しい努力目標って事でマジ勘弁してほしい。
恋の努力〜End〜
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 159人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あがしおん(プロフ) - miyaさん» いつもコメントありがとうございます！ジンくんはほんわかあったかい感じがよく似合いますよね！気に入っていただけてよかったです！ (2019年12月7日 14時) (
レス) id: 97c4c54377 (このIDを非表示/違反報告)
miya(プロフ) - 大好きなジンくんのお話ありがとうございます(≧▽≦)そうこのゆったりとした空気感が大好きなんです！寒くても、ジンくんの周りは温かいですね( 〃▽〃) (2019年12月7日 13時) (レス) id: 6284949262 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - miyaさん» 私も国語の授業は漫画本隠し読みしてた類の人間ですよ！でも、お気に召していただけて何よりです〜♪ (2019年10月14日 1時) (レス) id: d4473d8198 (このIDを非表示/違反報告)
miya(プロフ) - あがしおんさんの愛情いっぱいの言葉、大好きです(T△T)あぁ、本当に国語の授業寝ていた自分が恨めしい。。。。 (2019年10月14日 0時) (レス) id: 6284949262 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - miyaさん» miyaさん、コメントありがとうございます。作者も泣いております。近頃は涙腺がユルユルで……。 (2019年10月14日 0時) (レス) id: d4473d8198 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あがしおん
| 作成日時：2019年8月22日 8時
