見えない翼 Ⅱ (ページ50)

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Another story #25 ページ50

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『あ、、』

電話を切った後、テレビをつければ歌番組に出演中の彼がいて。

ファンに対して全力でパフォーマンスする姿は変わらなくてさすがだな、と感心した。

ただ、心なしか少し元気がないように感じてしまう。

わたしとのやりとりが尾を引いているのであれぼ申し訳ない、と心苦しさを感じる。

"会いたい、"

そんな感情が心の中に溢れてくる。

このまま過ごしていていいのかな、？

『、、よし、、』

もしかしたら迷惑かもしれない。

そう思ったけど、体はもう動いていて急いで紫耀の家へと向かった。

ーーー・・・

「ありがとうございました」

マネージャーに家まで送り届けてもらった。

日付は変わってもう１時。

あー、さみ。

吐いた息は白くてそれを見てますます寒さを感じる。

「、、連絡なし、か」

スマホに目を向けるもののAからの連絡はなくって。

あー、なんだよ、モヤモヤする。

そんな小さな苛立ちを抱えながらエントランスへと向かうとマンション前にいる人影。

「、、、え、」

見覚えのある姿に胸がドクンと鳴る。

「、っ、A、？！」

『あ、おかえり、』

そこにはずっと会いたかったAがいて。

柔らかく笑うAは鼻先が赤くて。

「なんで中入ってねぇんだよ」

『急いで出てきたから合鍵もスマホも忘れてきちゃって、でも会えてよかった、』

「、、っ、いつからいた？」

『あー、さっきだよ？』

「嘘つくなって、こんな、冷たくなってんじゃん、」

『、、ほんとだ、紫耀の手は、あったかいね、』

触れた手をギュッと握り返してくれて思わずドキドキ。

本当ずるい、

「とりあえず入って、」

『ゴメンね、ありがとう』

冷え切ったAの手を引きエントランスを抜け中へと入っていった。

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