見えない翼 Ⅱ (ページ42)

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Another story #17 ページ42

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「っし、」

今日は約半月振りにAに会う。

ツアーがあったりと次会えるのは約半月後と話した時、

『わかったー！頑張って！』

と笑顔で送り出してくれたA。

「寂しくなるだろー、」

そう茶化した俺に

『え、別に？電話くらいはできるんでしょ？』

なんてあっけらかんと答えられた。

いやいや、俺はかなり寂しいんですけどね。

ツアー中も実際電話したものの、それも数える程しかできなくって。

あいつも気を遣っているのか、俺からの時の電話がほとんどでかけてくることはなかった。

マンションに着き玄関前にてインターフォンを鳴らすも出てこない。

あれ、まだ帰ってなかったか、

サプライズで会おうと思ってきたものの、今日はま
だ帰っていないらしい。

もう、11時だけど。

どこにいるんだろ、、

そうモヤモヤした気持ちが浮かびながらも預かっている合鍵で中へと入った。

もうこうなったら中で隠れててやる。

履いていたスニーカーをベランダに隠し準備万端。

と、玄関先で音。鍵を差し込む音が聞こえた。

「やべ、」

勢いそのままにクローゼットの中に忍び込む。

『、ただいま、』

「、、、」

誰もいない部屋に向かって、
(実際は俺がいるけど、)
ポツリと呟くAの声が聞こえた。

クローゼットの隙間から久しぶりに見るAの姿に胸がドキドキ。

飲んできたのか。

なんだか薄っすら顔は紅くってそんなAの姿にもドキドキしてしまう。

つーか、、あれ、なんだか覗き見してるみたい。

ってかそうなのか。なんだこれ、よくよく考えると俺ってヤバいやつじゃん。

なんて考えつつ、出るにも出れなくて。

『、、、』

着ていたトレンチコートを脱ぎ、ハンガーにかける。

「、、、」

『、、、』

そのままバスルームに向かうのが見えてしばらくして聞こえるシャワーの音。

ああ、もう、早く抱きしめたい。

なんで隠れたりしたんだろ。

ここにきて今更ながら反省。

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