見えない翼 Ⅱ (ページ29)

今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:133,798 hit

Another story #4 ページ29

.

「最近素っ気ない？」

『そんな気がする』

紫耀と付き合って４ヶ月目。

なんだか最近の紫耀は素っ気ない。
そんな相談を結衣にしてみた。

『なんだか、こう、上手く言えないんだけど、』

結衣「なに、触ってくれないの？」

『ちょ、っ、！ゆ、結衣！』

結衣「あ、図星ね」

結衣のど直球な意見に飲んでいたカシオレを吹き出しそうになる。

でも、まあ、図星なわけで。

『、、うん、ま、そう、かな』

ていうよりそもそも付き合ってからハグぐらいなもんでキスすらしていない。

あれ、わたし達付き合ってなかったのかな、？

結衣「何か心当たりは？」

『うーん、、』

なんだろう。もともと、ベタベタしたりとかわたしがそんなに得意な方ではないから。

愛情表現が自分が下手なのは知ってる。

だから、わたしなりにできるだけハグしてみたり、努力してたつもりなんだけど、、

結衣「、、おし、任せて！」

『え、あ、はい。』

"とりあえずスマホ貸して"と言われるがまま。

何するの？と、声をかけるも結衣はわたしのスマホと睨めっこ。
かと思えば"うん、おっけ！"とわたしの手元にスマホが帰ってきた。

『、、う、ええ、？！』

結衣「ん？」

見た画面に驚きを隠せない。

紫耀とのLINEが開かれていて。
その文面には

"今日結衣と男友達と飲んできます"

とわたしになりすまして送っていて。

結衣「、、ヤキモチ大作戦！」

『結衣～！、、逆にもっと避けられちゃうんじゃない？！』

ええっと、送信取り消しってどうやるんだっけ？
そんな事を思っているうちに既読がつく。

『わ、既読ついちゃった！」

結衣「ふふ、とりあえず一回電源切ろうか」

『え？！』

結衣「いいから、いいから、作戦作戦！」

結衣に言われるがまま電源を落とすも気が気じゃなくって。

ヒヤヒヤしかしない！

ーーー・・・

あれから数時間。

お店も週末だからか沢山の人で賑わいを増し始めた。

『、、結衣。これは、』

結衣「、、、これはわたしも予想外」

「ま、いいじゃん」

「とりあえず生ー！」

わたしたちの前には高校の時の男友達がいて。

偶然、そして久しぶりに居酒屋にて再会。

断る理由もなく一緒に飲み直しているのだけど、、これは嘘が本当になってしまっているような、、？

変な汗が止まりません。

.