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「風呂、ありがとう」
『顔色戻ったみたいで良かった、』
お風呂から上がった紫耀はすっかり顔色もよくなっていて安心した。
雨に濡れて、わたしの家にきて。
こんなこと、そういえば前もあったなー、、なんて思い返した。
ソファに並んで座っているものの、無言。
どうしよう、会いたかったはずなのに、話したかったはずなのに言葉が出てこない。
「、、、仕事帰り？」
先に話始めてくれたのは紫耀の方で。
『、、、紫耀の家、行こうと思ってて』
「え、？」
『、、スマホ忘れて一回取りに来たの』
「、、どうして、」
びっくりした顔を見せる紫耀。
『、、、』
会いたくて。
その一言が出なくて。もどかしい。
なんでわたしこんなに口下手なんだろう。
「、俺はAと話したくて待ってた」
『、、、』
「この前はゴメン」
『、、、』
「無理矢理、その、キス、して、、」
『、、っ、』
「元彼とのことがあったばっかなのに、最低だよな、俺、」
『、しょ、う、』
「でも、中途半端な気持ちじゃないから」
『、、え？』
お風呂上がり、さらさらの紫耀の前髪から覗かせる目はまっすぐで。
わたしも反らせない。
「Aが好き」
『、、、っ、』
「離れてからもずっと、ずっと、好きだった」
『紫耀、』
紫耀の言葉に心臓が煩く音を立てる。
『、、、』
「廉のこと、気になってんだろ？」
『、、え？！』
「、ま、いい。でも俺ももう引かないから」
"絶対お前振り向かせてやる"
そうにっと笑って見せた。
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作者名：Misa | 作成日時：2019年8月10日 12時
