rain.08 ページ8
A「そういえば無一郎くん、傘は?」
今日は夕方まで晴れていたとはいえ、
私と同じように毎日天気予報を見ている彼なら
普段だったら傘を持ち歩いているはずだった。
もしかして天気予報見忘れた…?
と思ったのも一瞬。
彼は、白米を見つめながら「会社の後輩に貸した」と。
無一郎「化粧が崩れたら大変かなと思って」
A「ふーん」
私が一瞬目を開いたことに
気付いてはいないのだろう。
別に、傘を後輩の女の子に貸したからといって
嫉妬しているわけではない。
この年齢になって傘を忘れる後輩もどうかと思うが
私は無一郎くんの行動に不満は感じなかった。
無一郎「なに、妬いたの?」
白米から目をそらした彼が
少し挑発的な目でこちらを見てくる。
私の返事に棘を感じたからだろうか。
特になんとも思わなかったから「ふーん」と返したけど
もしかしてそれが気に入らなかったのだろうか。
私の頭の上にハテナマークが浮かんでいたのか
彼は少し笑いながら「冗談」と
また白米に目を戻した。
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ゆっくり四つ葉 - 素晴らしい作品をありがとうございます!眼福です! (2020年9月2日 6時) (レス) id: 135b7cf6d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:微力 | 作成日時:2020年6月15日 15時