【H×H】聞いてない！！【ゾル家】 (ページ10)

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9.教わるページ10

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誕生日会が終わり、私とお父さんだけが大広間に残された。

お父さんはいつになく真剣な表情で私を見つめる。

「いいかA、念とは非常に便利なものだ。人を殺めるのも容易い。だが、その分自分も危険に晒される事になる。覚悟はいいな？」

『うん。』

私は、お父さんの言葉に頷く。

すると、お父さんは一枚の紙を取り出した。

「まず、念と言うのは体から溢れ出す生命エネルギーを自在に操る事だ。見てろ。」

お父さんはそう言うと、紙を壁に飛ばし、突き刺した。

ただの紙が…ナイフの様な切れ味に…？

紙は壁に刺さり少し経つと、じゅぅっと音を立てふにゃりと曲がった。

「これが念を纏った紙の威力だ。どうだ？興味が湧いてきたか？」

私はコクリと頷く。

ちょっと怖いけど、それよりも好奇心が勝ったのだ。

そんな私に、口角を上げるお父さん。

「では、今日は実際にAに念を教える。」

私はコクリと喉を鳴らした。

「念はゆっくり起こすのと無理矢理起こすのがあるが…Aは数年もかけて念を起こしたくないよな？」

『勿論！今出来る様になりたい！』

私がそう言うと、お父さんは私が上に来ていた上着を脱ぐようにと言われた。

私が言われた通り脱ぐと、私の後ろに回り込んでいた。

「では、今から念を起こす。」

お父さんはそう言い、背中に手を回した。

私が自然体で居ると、何か後ろからグッと圧を感じた。

な…にこれ。

目を開けると、自分の体の周りに白い湯気の様なものがまとわりついていた。

『なにこれっ！？』

「それが念だ。まずは纒をしてみろ。体に念が満遍なく流れる様にするのがコツだ。」

私は、さっきの様にフッと力を抜く。

すると、ピタリとまとわりついていた念が止まった様な気がした。

…いや、止まったんじゃなくて流れてるんだ。水流の様に、ゆっくりと。

私が目を開くと、お父さんは目を細めていた。

「…天才、か。」

その言葉は、私の耳には入らなかった。

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