【H×H】聞いてない！！【ゾル家】 (ページ20)

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19.電話ページ20

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い、イル兄怒ったら怖いよきっと…

私が震えていると、それを見かねたフランクフリンさんが、声をかけてくれる。

「どうし…［prrrr…］…電話だぞ。」

私のポケットに入っていた携帯が鳴る。

あれ……入ってたんだ…取られてるかと思ってた…

私が焦って携帯を耳に当てると、冷たい声が聞こえてきた。

［A？どこいんの？］

『あ…イル…兄……』

電話の内容に、旅団の人達は耳を澄ます。

［丸一日帰ってこないってどういう事？なんかあった？］

『えっと…実は、道に迷っちゃって…』

私はえへへと笑う。

旅団の事は、多分言わない方が良いよね。

［はぁ…早く帰ってきて。今どこ。］

『うんと…』

「ミチェル。」

『ミチェルに居るよ！』

シャルナークさんが小声で教えてくれた地名をいう。

私の言葉に、イル兄は「ん。」と言い、電話を切った。

私は、堰を切ったように涙を溢す。

『うわぁぁぁん、イル兄に怒られるぅぅぅぅ…殺されるぅぅぅぅ…』

「だ、大丈夫か…？」

「ほんとはここに数ヶ月滞在させる予定だったが…仕方ない。シャル、連れてってやれ。」

シャルナークさんは、「りょーかい。」と言い、私の手を取った。

建物の外に向かうと、だんちょーさんから声をかけられた。

「A、いつでもここに来い。遊んでやる。」

『…！うんっ！』

「さ、行こっか。」

私達は、廃墟から出て、歩く。

しばらく歩くと、人がちらほらと見えてきた。

細い通りに入ると、シャルナークさんは手を離す。

「ここから少し歩くと大通りに出るから、一人で行ける？」

『うん！ありがとう、シャルナークさん。』

「ハハッ、シャルで良いよ。あ、これ俺の番号ね？旅団のアジトは度々変わるからアジトに来る時は連絡して？」

『わかった！じゃあね、シャル！』

私がそう言った時には、もうシャルは居なかった。

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