［完］もう二度と会いたくなかった3【佐野万次郎】

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“俺は、二度とお前に会いたくなかった”



















『な…っぇ？、ど、して…っ』





言葉が出てこない。呼吸も上手くできない。





『は、っは…はぁっ』





急に苦しくなって肩が上下する。





「…さよならだ」





そう冷たく言って、彼は私の手を邪魔だと言わんばかりに払う。





『(…待って、待ってよ)』





ねえ、待ってよ。




『ｯ、は…ぅ、ぁ』




多分、これは過呼吸だ。

呼吸が、上手くできない。




『ｯは、はっ…ハァッ』




せめて、せめて。




『ま、じろっ…まん、じ』





彼の名前を呼びたい。

届いて、届いて。





『まんじろー…！』





嫌だ、行かないで。

体制を崩しながら必死に彼の後を追う。

胸が苦しくて、両手で抑える。




『や、だっ…まんじろぉっ』





このまま離れたなら今度こそおかしくなる。

もう、戻れない。もう立ち直れない。また悪夢に苛まれる。なら、もう死んだ方がマシだ。





『おねがいっ…もどっ、てきて…！まんじろうっ』





もう、私には貴方しかいないのに。

貴方がそれを一番わかってくれたはずなのに。





でも、そんなのは私の勝手な思い。

突き放したのは私。何もできなかったのは私。





『やっ…ぃや…っ』





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