［完］もう二度と会いたくなかった3【佐野万次郎】

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「タケミチ」


『ヒナちゃん』



2人が何やらクスクスと笑いながら話し合っているところに申し訳なかったが、万次郎と一緒に声をかける。



「…えっ、2人とも」


「ぇ…ぁ、なんで…？」


『仲直り…？』



タケミチくんは、ただただ驚いていて。

ヒナちゃんは、言葉が出てこなくて。



「そっか、そっかぁ…ｯ」


「良かったっす…！」



2人してエグエグ泣き始めちゃって私はめちゃくちゃ慌てたけれど、万次郎は「ダッサ」とタケミチくんに向かって言う。

本当に、全然変わってないな。



「ンなこと言わなくてもいいじゃないっすかぁ！だって、12年っすよ…？こんなの、泣かない方がおかしいぃぃいいいい…ッ」


『な、泣いちゃダメだよ！？』


「うー、だってぇ…」



「メイク崩れちゃう」と、焦ってヒナちゃんの涙を拭う。



『はは…っ』


「「え…」」



カオスな現場に、思わず声に出して笑ったら変な空気が流れる。



「「笑った…」」


『え？』



「なんでそんなに驚いてるんだろう…」と思って隣にいる万次郎を見るけれど何故か万次郎も驚いてる。



「かわいい」


『んぇっ…！？』



次の瞬間には目にも止まらぬ速さで万次郎に抱きしめられて、条件反射で抱きしめ返す。



「わぁあああん、良かったよぉおお…っ」



そんな私たちを見てヒナちゃんまさかの大号泣。

タケミチくんはそんなヒナちゃんに流石に驚いて、「ひ、ヒナさん…？」と涙を拭ってあげていた。





「『結婚おめでとう』」


「ありがとうございます…！」


「ありがとうぅ…うぅっ」



そんな2人を見て、万次郎と目を合わせて、また笑い合った。



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