［完］もう二度と会いたくなかった3【佐野万次郎】

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「…訳わかんねーこと言ってんじゃねぇ」


「テメーこそ訳わかんねーこと言ってんなよ。好きなヤツに見放されたら死にたくなる、そりゃそうだろ。簡単なことだ」



死ぬ？あいつが？

なんの根拠もない乾の話は当然信じられるはずがなかった。



「俺はあの子を追いかける。もし、もう手遅れだったら、全部お前のせいだ」



















“私は…もう、不幸だよ…？”



















自嘲気味の、震えた声をふと急に思い出す。



















あいつ、最後どんな顔してた？



















“俺は、二度とお前に会いたくなかった”


“…さよならだ”


“俺たちはもう終わった”


“俺はお前と一緒にいることを望まない”



















12年越しに再会して、彼女に向けた言動。

否定して、拒んで、振り払って。



















“…まんじろーは、ずっとそばにいてくれるよね？”



















「(…なんで、今思い出すんだよ)」



全てがフラッシュバックのように全身に流れ込んでくる。

過ごした日々、声、体、アイツの存在が急に俺の中を侵食する。



「最後にもう一回だけ聞くぞ。お前は、どうするんだ？」


「っ…」



















“まんじ、ろ…っ”



















泣いてる。あいつが、泣いてる。



















“泣き虫”



















いつだって、その涙を拭って来た。



















「A…」



















俺は、いつから諦めてたんだろうな。



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