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ーside 万次郎ー
「っおい!佐野!!」
「…チッ、なんだよ」
Aは走ってどこかに行ってしまい、俺は行き場のないこの気持ちが溢れて止まらないままずっと突っ立っていた。
けれど、乾に急に名前を呼ばれて肩を思い切り掴まれる。
「Aちゃん、どこに行ったんだよ」
「あ"?知らねーよ」
乾はまるで危機迫っている顔をしていて、俺の肩を馬鹿力で掴んでるくせに冷静に言葉を囃し立てる。
「知らねぇって…今、アイツは式場を出て行ったんだぞ!?」
「それがなんだよ」
バキッ
「…ハッ、何が起きたかわかってねーよな顔してんな」
衝撃が来た右頬を手の甲で触れると、何かが垂れて口に流れ込んでくる。
「乾…テメー…」
俺は感情に任せて乾に向かって蹴りを入れた。
しかし、それを見越したように腕で防がれる。
「俺に一発喰らうくらい余裕が無いってわかんねーのかよ!?」
「…急になんだよ」
「次は本気でやる」、そう一言付け足して左足を伸ばそうとしたその時、胸倉を掴まれる。
「アイツを傷つけて、楽しいか…?」
「…テメーには関係ないことだ」
そう吐き捨てれば、グッと力がさらにこもるが俺はその手を払い退ける。
「…佐野万次郎、お前はマジでイカれてるよ。好きな女を自ら死に追いやるなんて」
「…あ"?」
コイツの言葉が意味不明で、ポケットに突っ込んだ手で拳を作る。
「“一緒にいない方がいい”、そう格好つけて手放して。まだオモチャねだる素直なガキの方がマシだよ」
「…なんも知らねーくせに外野が口出すんじゃねぇ」
それだけ言って、乾を通り過ぎようと足を進めると「まだわかんねーのかよ!?」と再び肩を掴まれる。
「アイツは!Aは!!ッこれから死ぬつもりなんだよ!!」
ガンッと次は頭を殴られた気がした。
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水原カノ(プロフ) - くろしばさん» 嬉しい限りです( ; ; )拙い文章ですが、番外編でもよろしくお願いします…!(*´꒳`*) (2022年2月9日 23時) (レス) id: e0da8650d9 (このIDを非表示/違反報告)
水原カノ(プロフ) - みきさん» そう言っていただけて嬉しいです…!まだ続きますがよろしくお願いします(*´-`) (2022年2月9日 23時) (レス) id: e0da8650d9 (このIDを非表示/違反報告)
くろしば(プロフ) - いつも楽しくワクドキ泣きもしながら読ませていただきました!番外編楽しみにしています!応援してます!頑張ってください! (2022年1月22日 22時) (レス) @page50 id: ba268ba5be (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 番外編楽しみにしてます!この作品めちゃ面白かったです!頑張ってください! (2022年1月22日 16時) (レス) @page50 id: 23779c598a (このIDを非表示/違反報告)
水原カノ(プロフ) - 茶子さん» 素敵なコメントありがとうございます(;_;) ティッシュの供給は間に合っていますでしょうか…?いつでもプレゼントします!(*´ω`*) (2022年1月15日 22時) (レス) id: e0da8650d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水原カノ | 作成日時:2021年12月23日 17時