［完］もう二度と会いたくなかった3【佐野万次郎】

私はもう不幸だよ ページ34

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相変わらず彼はそっぽを向いて黙っているまま。

私も俯いて、目を合わせようともしなかった。



『私には、もう本当に…ｯ、万次郎しかいないの』



なのに、口だけは達者で。

馬鹿みたい。こんな、27歳にもなって必死に希うなんて。



「…俺といると、不幸になる。俺はお前と一緒にいることを望まない」



ほら。

自分から傷つきに行って、本当に馬鹿。



『なんで…っ、それは私が決める』


「なら、俺にも選ぶ権利がある」



それでも尚、開いた口が塞がらない。

万次郎は私の言葉に対して畳み掛けるように否定の言葉を続ける。

私って、こんなに頑固だったけ。



『まんじ、ろ…っ』



もう何も言うことがなくて、彼の名前をただ呼ぶしかなかった。



















「俺のことは忘れろ」



















ねえ、万次郎。

貴方がいない人生は、生きていけないんだよ。



















“俺といると、不幸になる”



















『私は…もう、不幸だよ…？』


「…！」



その瞬間、ブツリと何かが切れた。

今までは、なんとかセーブして来た気持ちがたった今ブツリと切れた。



















“今なら死ねる”



















そう思って、彼に背を向けて、走り出した。



『はぁっ、っは…はぁ』



もう、消えたい。私は、この世界で生きている意味なんてない。

そう思って、式場を飛び出て、私は本能的に“あの場所”へと足を向けた。



















「…Aちゃん？」



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