［完］もう二度と会いたくなかった3【佐野万次郎】

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心がなんとなく軽くなって、タケミチくんとヒナちゃんの結婚式に向けて準備を始め、その間青宗くんはずっとソファーに座って待ってくれた。

それから、青宗くんの車で式場へと向かった。どうしてバイクじゃないのか聞いたら、私のドレスや髪が汚れたり乱れたりするのを懸念してバイクは止めたらしい。



『青宗くん、それはモテるね…』


「何の話だ？」



青宗くんは、天然タラシだと確信した。



















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会場に着き、車から降りる。



『あ、ありがとう…』


「ん」



降りた時に、どうやらドレスのフリルが辺な形になっていて、青宗くんは黙ってそれを整えてくれる。



「お、来たか」


「ちー…？」



会場の入口にはドラケンくんと、ドラケンくんの隣には12年ぶりのエマが立っていた。



『(…良かった、本当に無事で)』


「ちー…！久しぶり、会いたかった、会いたかったんだよ…っ」


『…うん、私も会いたかった』



バッと凄い勢いで抱きつかれ、思わずよろけそうになったがそれをしっかり受け止めて、エマの涙ぐむ声に私もつられてしまう。

エマ、元から大人っぽかったけど綺麗になったな、凄く。

きっとドラケンくんのおかげだね。2人が並ぶ姿を見て、すぐにわかった。2人は付き合ってるんだって。



『エマ、綺麗になったね』


「え、そうかな！？そんなこと言ったらちーもめちゃくちゃ綺麗になった」


『そんなことないよ』



エマの歯に噛んだ笑顔は相変わらず可愛くて。

入口の邪魔にならないように2人して話に花を咲かせていた。



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