［完］もう二度と会いたくなかった【佐野万次郎】

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場地「へー、オマエらオフクロが違うんだ？」


エマ「…」


場地「外国人みてぇな名前だな」


万次郎「だろ？」


エマ「(脳みそのレベル一緒)」



ばじくんにえまちゃんを紹介して道場で皆んなで話しているけど、えまちゃんは何だか明るい顔をしてない。



『そーかな、えまってかわいいじゃん！ひびきが！』


場地「じゃあオレ、エドワードの“エド”」


万次郎「オレ、マイケルの“マイキー”」


『(…なんかはじまったぞ)』



ほんとーに男の子ってこどもだ。

なにがそんなにおもしろいのか、わかってもないえーごをつかってケラケラ笑ってる。

でも、佐野家はちょっと複雑だけど佐野おじちゃんもしんいちろーもいるしきっとうまくやってけると思うの。



エマ「…本当はわかってるんだ」


『………えまちゃん？』


エマ「ママのキモチ。ママはウチの事嫌いだから」



えまちゃんはどこか遠くを見つめながら話し始めた。

まんじろーもばじくんも笑うのをピタリとやめてこっちを向く。



エマ「…だから捨てたってわかってるんだ」



ポタポタと床に落ちる雫。



エマ「でも言ったんだよ？用事が終わったら迎えにくるって…っ」



体育座りをしながら、えまちゃんはさっきよりも大きな雫を落として泣き始めた。



エマ「言ったんだ…っ」



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