［完］もう二度と会いたくなかった【佐野万次郎】

ドラケンくん2 ページ26

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「おー、A」


『ドラケンくん、おはよう』



今日も佐野家へひょっこり顔を出せばまんじろーはいつものタオルケットを握り締めながらまだ頭をこくこくさせている。

ドラケンくんは遊びに来たみたいだけど、それでもむにゃむにゃと朝ごはんを食べるまんじろー。



「ちー、今日お夕飯食べに来ない？」


『え、いーの？』


「うん！」


『じゃあ、エマのお手伝いする〜』


「本当？ありがと〜」



お夕飯に誘われてルンルン。



『(じゃあ、今日はしんいちろーに会えるかな)』



あれから、多少はふっきれて今ならしんいちろーと顔を合わせるくらいはできると思う。といっても、まだまだしんいちろーのこと完全に諦めたわけじゃないけどね。

しんいちろーはまた忙しいみたいで、最近はまんじろーと過ごす時間が多い。



「A、今のうちに夕飯何が良いか言っとけよ」


『えー…じゃあ、オムライス！』


「本当、オマエの好みはマイキーとかわんねぇな」



ドラケンくんはそう言ってケラケラ笑う。

ドラケンくん曰く、私って色んな意味で目が離せないらしい。何かと世話を焼きたくなっちゃうんだってさ。



『にしても、ドラケンくんまた背おっきくなったね』


「ん？そうか？Aは相変わらずチビだな」


『なんだと！？』


「おー、怒った怒った」


『ドラケンくんが中学生とは思えない図体してるのが悪い！』


「それ褒め言葉として受け取っとくわ」


『なんかむかつくー！』


「2人ともうるさいよ！！」



2人でギャーギャー言い合っているとエマに怒られて黙る。エマにバレないように、ドラケンくんに静かに「べー」って舌を出すと笑われた。

久々にまんじろーよりイラッときたぞ、私は。



「Aー、くしー」


『はいはい…』


「とかして」


『もー…』



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