ちがう ページ19
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「本当、Aは女じゃねぇな」
『うるさい、もっかい殴られテェのか』
「そんなこと言ってたらシンイチローに嫌われるぞー」
『…もう嫌われてるもん』
帰り道。
まんじろーが愛機を押してる先をスタスタと歩く。
「お前、嫌うの意味わかってんのか？」
『わかってるし、ことばのあや』
さっきゲンコツしたにも関わらずズケズケと話しかけてくるまんじろーの言葉を適当にあしらってその辺に落ちている石ころを蹴飛ばして歩き続ける。
「…A、本当はシンイチロー彼女いないって言ったらどうする？」
『何言ってんの』
「もしもの話し」
『(なにそれ)』
でもきっと、私はしんいちろーに彼女がいなくてもやることもすることも変わらないと思う。
「シンイチローにアタックする？」
『別にしない。だってしんいちろーは私のこと妹にしか思えないもん。それに年が離れすぎだもん』
私はすでに心の中で諦めてるの。
多分、しんいちろーに言われたこととか関係なく、今の子どもな自分には釣り合わなさすぎるから、きっと何をしても無理。
だから、今はこんな感じでいいのかもしれない。
「Aは意外と臆病だな」
思わず、カッとなった。
『うるさい！まんじろーにはわかんないもんっ！！』
ハッ、と気がついた時には遅い。
言ってもどうしようもないことを怒鳴ってしまって、しまいには涙も。今度こそ、女の私でも殴られるんじゃないかって覚悟した。
まんじろーの手が振り上がって「くる」と思って目をぎゅっと瞑る。
「久しぶりに泣いたな」
ポンポン、って心地よいリズムで私の頭を撫でるまんじろー。
『なん、で…』
「なんでってオマエが泣いてるから」
『(………しんいちろーとは違う)』
全然、違う。大きさも心地よさも。安堵さも。
でも、しんいちろーと同じであったかい。
「なんかムカつく。シンイチローばっかで」
『…なにそれ』
「シンイチローが大好きなAは泣かないし、一途だし、ムカつく」
『…恋は女の子を強くするんだよ』
「俺にはわかんないわ」って言って、私より先に歩くまんじろーの背中は何故かとても大きく見えた気がする。
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水原カノ(プロフ) - さまさん» 本当ですね…！ご指摘ありがとうございます(^^) (2023年1月12日 16時) (
レス) @page4 id: dc8eb8059d (このIDを非表示/違反報告)
さま(プロフ) - 3歳は小学生じゃなくないですか、、？ (2022年12月29日 10時) (レス) @page4 id: 515ce007de (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラの娘です - 何度も見返してしまうほど面白いです！それに更新早いですね！←三週間作品を更新してない人 (2021年10月12日 19時) (レス) @page19 id: dfc5bee49e (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラの娘です - ゑ？、、、、、あっなんだ神かぁ。好きです！更新頑張ってください！ (2021年10月12日 19時) (レス) @page9 id: dfc5bee49e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水原カノ
| 作成日時：2021年10月11日 19時
