デートの約束 ページ18
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ただ、じっと翔ちゃんが話し出すのを待っていた。
だけど、翔ちゃんの口から出てくるのは、ため息ばかりで…
本当は、具合が悪いんじゃないか…って思って
私は伸ばした手で、そっと翔ちゃんに触れた。
「…大丈夫？」
『ん？』
「具合悪いの？」
そう聞くと、少し困った顔して
私の右手を翔ちゃんがキュッと握った。
『…ちょっと、いろいろ考えごとしたら
眠れなくなっただけだよ』
「そっか…」
そう答えると、私も翔ちゃんの指先に
自分の指を絡めた。
眠れない理由を聞きたかったけど
でも、なんか聞いちゃいけないような
そんな気がした……
「…少し寝たら？」
『…うん、そうだな』
私の隣りに潜り込んで来た翔ちゃんの腕が
私を抱きしめるようにして
隙間もないくらいにぎゅっとしてきた。
『なぁ…A？』
「うん？」
『今度の、俺の休みにさぁ…』
「うん」
『２人で、デートしようか…』
「え、いいの？」
ちょっと、びっくりして身体を離すと
『え？俺達がデートしちゃ、ダメな理由でもあるの？』
可笑しそうに笑いながら、
私の顔を覗き込んでくる翔ちゃんに
ダメじゃないよって首を振りながら
「行きたい、行きたい！デートしたい！」って
今度は、私から翔ちゃんに抱きついた。
『…どこ、行きたい？』
「んー、どこだろう…」
『って言っても、行く場所なんて限られるけど』
「それでも、翔ちゃんと一緒に出かけれるなら全然、違うよ？」
『そうなの？』
「うん、近くの公園だって遊園地みたいだし、
コンビニだって、デパ地下みたいにキラキラして見えるんだから」
私の話しを聞きながら
翔ちゃんがアハハ…って笑った。
「笑うけど…本当に、そうなんだよ？」
『うん、知ってる』
「え？」
『好きな人と一緒に居るだけで、周りの風景も違って見えるよな』
「うん、そう。それに、心も体もポカポカするの」
そう言いながら、翔ちゃんを見つめると
『やっぱ、俺…』
少しだけ体を起こした翔ちゃんが私を見つめ返して、
『Aのこと、大好きだわ』
そう言いながら
私を抱え込むようにして、甘いキスをくれた。
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作者名：ミイ
| 作成日時：2015年2月1日 0時
