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76話 ページ29

私は先生を揶揄うように笑った。

「そりゃ先生が私が弱ってるときにつけ込んできたからですよ」

話したかった。心配して欲しかった。
それはあまりにも恥ずかしくて言えなかった。

「……つけ込んではないぞ」
「冗談ですよ」
「俺が誰かに話さない保証は無いだろう。お前の担任に話したっておかしくないし、口が軽い人間かもしれない」
「じゃあ話したのが失敗でしたか」

そういうことじゃない、と彼は小さく言った。
わかっている。
先生と同じくらい、あるいはそれ以上に友人を信頼しろということ。好きになれということ。結論はそうだ。
まるで、教師みたいなことを言う。
教師だからだ。

先生は、同じ状況なら春原さんにも同じことを言うのだろうか?

先生は、観覧車で春原さんと何を話したのだろう。

「先生が、友達だったら良かったのに」

彼は、一瞬驚いたような表情をした後に笑った。

「そうしたら、悩みが相談出来る友達もいることになるし、告白も出来ました」

まあ多分振られると思いますけど、と言えば彼は可笑しそうに言った。

「今のは告白には入らないのか」
「受け取る側が本気で受け取らないなら告白じゃありませんよ」
「そうか」

彼は笑顔を引っ込めて、真剣な顔で私を見た。

「たぶんだけどな」

私は砂を触っていた手を止めて、先生を見た。

「お前は、俺が生徒だったら俺の事なんか好きじゃなかったし、悩みを話してもくれなかったと思うよ」

そうかもしれない。
そんなことない。

結局私は何も答えなかった。

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みゆ - 忘れた頃に戻ってきます。の言葉を待ち続けてました!最高です🥲素敵な作品でいつも読ませてもらってます。これからも応援してます! (2022年8月12日 21時) (レス) @page31 id: df78362649 (このIDを非表示/違反報告)
Niko(プロフ) - 3年ほど前から主さんの作品が好きで、久しぶりに開いたら更新されててびっくりしました...!ずっと応援してます! (2022年6月19日 18時) (レス) id: bff3de95f7 (このIDを非表示/違反報告)
ステラ(プロフ) - 最高すぎます!!!一気読みしちゃいました笑  (2022年6月5日 22時) (レス) @page30 id: c6594e1224 (このIDを非表示/違反報告)
まなぶ - やばい....最高です....絶賛今自分先生に恋してる身なので、気持ちがわかりすぎてえぐいです....続きがすごくみたいです!更新待ってます!! (2022年4月10日 23時) (レス) id: be5b892ffb (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ - っっっ〜〜!最高っです!久々の更新が嬉しすぎて「えっ!」って言っちゃいました!これからも応援してます! (2022年4月4日 23時) (レス) @page30 id: 26f7606c1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:餅屋 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年11月30日 23時

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