71話 ページ24
観覧車からの眺めは良くて、私は一瞬怒りも忘れて呟いた。
「……綺麗だね」
「うん。海が見えるね。まあホテルからも見えるけどさ」
ひたりと透明な壁に手を当てて、私は優璃を振り返った。
「優璃は好きな人っていたことある?」
優璃は少しだけ笑った。
「あるよ。結城君」
私は思わず全身で振り向いた。
「え!?」
「今はもう好きじゃないよ。……そりゃ友達としては好きだけど」
「……心愛と付き合った時は?」
優璃は綺麗な髪を耳にかけて言った。
「好きだったよ。最初はすっごくショックだった。でも……」
「でも?」
「……なんかだんだん別にほかの男子と変わらないな、って思うようになって。かっこよく見えなくなっちゃった」
よく良く考えれば全然好みじゃなかったんだよね、と言う彼女の表情は清々しく、本当に未練はなさそうだった。
「……優璃の好みのタイプって?」
「頭が良くて、冷静だけど、時々可愛い人……ふふ、きーちゃんみたいな人」
「……く、口説いてる?」
「うん。きーちゃんって案外照れるよね」
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みゆ - 忘れた頃に戻ってきます。の言葉を待ち続けてました!最高です🥲素敵な作品でいつも読ませてもらってます。これからも応援してます! (2022年8月12日 21時) (レス) @page31 id: df78362649 (このIDを非表示/違反報告)
Niko(プロフ) - 3年ほど前から主さんの作品が好きで、久しぶりに開いたら更新されててびっくりしました...!ずっと応援してます! (2022年6月19日 18時) (レス) id: bff3de95f7 (このIDを非表示/違反報告)
ステラ(プロフ) - 最高すぎます!!!一気読みしちゃいました笑 (2022年6月5日 22時) (レス) @page30 id: c6594e1224 (このIDを非表示/違反報告)
まなぶ - やばい....最高です....絶賛今自分先生に恋してる身なので、気持ちがわかりすぎてえぐいです....続きがすごくみたいです!更新待ってます!! (2022年4月10日 23時) (レス) id: be5b892ffb (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ - っっっ〜〜!最高っです!久々の更新が嬉しすぎて「えっ!」って言っちゃいました!これからも応援してます! (2022年4月4日 23時) (レス) @page30 id: 26f7606c1b (このIDを非表示/違反報告)
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