70話 ページ23
「どうする?」
優璃が口を開きかけた時、結城が言った。
「先生と春原さんが組めば?幼なじみなんだろ?」
私は思わず結城を睨んだ。
結城はびくっとしたが、幸い他の人には気づかれていないようだ。
「いいんじゃね?」
部員たちは賛成のようだ。心愛は恐ろしい表情で結城を睨みつけていて、優璃は眉をひそめているが。
この決定を覆すことは私には難しい。
深淵先生のことを好きなことがバレる可能性がどうしても高くなる。
男子のひとりが、春原さんに優しく聞く。
「春原さんは、それでいい?」
私の期待をよそに、春原さんは顔を赤らめて頷いた。
「……うん」
部員のうちの数人は、それをはやし立てた。
私は手を強く握りしめた。
……なんのために、昨日好きな人を明かしたと思ってる。
燃えるような怒りが喉元まで溢れて出かかったところで、冷たい手が私の手を引く。
「A」
優璃の冷静な瞳に、私は平静を少し取り戻してため息をついた。
「……ごめん」
それでもまだ、黒い感情が胸の中に蔓延っている。
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みゆ - 忘れた頃に戻ってきます。の言葉を待ち続けてました!最高です🥲素敵な作品でいつも読ませてもらってます。これからも応援してます! (2022年8月12日 21時) (レス) @page31 id: df78362649 (このIDを非表示/違反報告)
Niko(プロフ) - 3年ほど前から主さんの作品が好きで、久しぶりに開いたら更新されててびっくりしました...!ずっと応援してます! (2022年6月19日 18時) (レス) id: bff3de95f7 (このIDを非表示/違反報告)
ステラ(プロフ) - 最高すぎます!!!一気読みしちゃいました笑 (2022年6月5日 22時) (レス) @page30 id: c6594e1224 (このIDを非表示/違反報告)
まなぶ - やばい....最高です....絶賛今自分先生に恋してる身なので、気持ちがわかりすぎてえぐいです....続きがすごくみたいです!更新待ってます!! (2022年4月10日 23時) (レス) id: be5b892ffb (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ - っっっ〜〜!最高っです!久々の更新が嬉しすぎて「えっ!」って言っちゃいました!これからも応援してます! (2022年4月4日 23時) (レス) @page30 id: 26f7606c1b (このIDを非表示/違反報告)
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