66話 ページ19
その日の夜、女子四人の部屋で、私たちは完全に寝る体制を整えていた。
「電気消すよー」
「いやいやいや!!おかしいでしょ!!!もっとすることあるでしょ、枕投げとか恋バナとか!!」
私は笑った。
「不良だ」
「むしろ健全だと思うんだけど!ね!?」
心愛は春原さんと一楽さんを振り返る。
「まあーたしかにそうですなー。それが王道っすわ」
ちなみに一楽さんはガチのオタクだ。
嫌われている訳では無いが誰も彼女の話についていけないため固定の友人はいない。専門用語が多すぎる。
「……一楽さんって好きな人いるの?」
少し興味を覚えて私が聞いてみると、彼女はニマニマと笑った。
「いるわけないない。男は二次元に限るっしょ……と言いたいところだがいるんすわ〜」
「マジ!?誰?」
「絶対言わないで欲しいっすー」
私は笑った。
「もし一楽さんの好きな人漏れたら、一楽さんが私たち全員のバラせばいいじゃん」
「名案ー。じゃあ言うけど、……古池氏」
コイケシ?と頭にうかべて、私は首を傾げた。
肌が白い、大人しくてひょろりとした子だ。
「古池くん?確かによく話してるけど、動機は?」
「伊吹氏、面接みたいな聞き方やめて貰えます……?」
一楽さんは少し考えて言った。
「やっぱ話合うんだよねー。漫画の考察とか聞くの楽しいし。あの人、めっちゃ細かい伏線とか覚えてて」
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