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60話 ページ13

練習の終了後、たまたま水道で洗い物をしていた春原さんに会った。

彼女は丁寧にコップを洗っていて、手は長い間水に触れていたせいだろうが、真っ赤になっていた。

「……手伝おうか?」

彼女は私を見上げ、ふわっと笑って首を横に振った。

「マネージャーのお仕事だからいいよ。申し訳ないし」
「……暇だからいい」

私は置いてあるコップを洗い始めた。

「ありがとう。Aちゃんは、優しいね」

優しいわけないだろ。
私は鼻で笑いそうになるのを堪えて、コップに付いた泡を水で洗い流した。

「いつも一人で洗ってるの?」
「ううん。時々仁おにい……あ、深淵先生が手伝ってくれるよ」

私は壁に頭を打ち付けた。
怒るな。怒ったら負けだ。

「Aちゃんっ!?大丈夫?」
「ん……大丈夫」

春原さんに非は無い。全面的に私が悪い。

「お、洗い物か。お疲れさん」

とそこで深淵先生が現れた。

「手伝うか?」
「ううん、Aちゃんが手伝ってくれてるから……」
「そうか。良かったな」

親しげな会話の様子を見ていたくなくて、私は俯いてコップを濯ぐことに専念した。
が、ふと手が額に伸びてきて驚いて顔を上げる。

「……なんですか」

前髪を持ち上げられ、私は動揺を隠して怪訝な顔で深淵先生を見つめる。

「血が出てるぞ」
「えっ」
「わ!ほんとだ、きっとさっきぶつけたときだよ!」

春原さんはいそいそとハンカチで手を拭いてから、絆創膏を出してくれた。

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みゆ - 忘れた頃に戻ってきます。の言葉を待ち続けてました!最高です🥲素敵な作品でいつも読ませてもらってます。これからも応援してます! (2022年8月12日 21時) (レス) @page31 id: df78362649 (このIDを非表示/違反報告)
Niko(プロフ) - 3年ほど前から主さんの作品が好きで、久しぶりに開いたら更新されててびっくりしました...!ずっと応援してます! (2022年6月19日 18時) (レス) id: bff3de95f7 (このIDを非表示/違反報告)
ステラ(プロフ) - 最高すぎます!!!一気読みしちゃいました笑  (2022年6月5日 22時) (レス) @page30 id: c6594e1224 (このIDを非表示/違反報告)
まなぶ - やばい....最高です....絶賛今自分先生に恋してる身なので、気持ちがわかりすぎてえぐいです....続きがすごくみたいです!更新待ってます!! (2022年4月10日 23時) (レス) id: be5b892ffb (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ - っっっ〜〜!最高っです!久々の更新が嬉しすぎて「えっ!」って言っちゃいました!これからも応援してます! (2022年4月4日 23時) (レス) @page30 id: 26f7606c1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:餅屋 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年11月30日 23時

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