3150組と私。 (ページ20)

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「って言う事があってね。」

『え、なにそれ。それでどうなったの？』

「なんかね、そっからその子学校に来なくなっちゃって。その日から、お兄ちゃんは色んな目に合うことになっちゃったんだよね。」

ももは悲しい顔をしながら話し始めた。

「まずストーカーされるの。それも結構怖いやつ。お兄ちゃんの高校まで行って出待ちして写真だけ撮って帰ったり、うちの家の前に、お兄ちゃんが好きって言ってた大量のポテトサラダが置いてあったり。」

『え…怖いね。』

「まだこれには続きがあってね。最終的には有り得ない事まで起こったの。お兄ちゃんの帰りを狙って、後ろから布で口塞いで失神させたみたいで2日間ずっとその子の家に閉じ込められてたみたいで。これでも怖いって思うけど、ここからもっと怖くて。」

『え…？？どうなったの？』

「お兄ちゃんによると、閉じ込められてた時はなんも変なことされなかったけど、48時間ずっと愛してるって言わなきゃ…って包丁持って脅されてたらしい。」

『え…こわい。その為に閉じ込めたの…？意味がわからない…。』

「それは私も思う。で、私がその子かもって言ったら警察はその子の家を調べたの。実はその子の親はもう亡くなってたみたい。そして、その子は警察に捕まって今は精神科に行ってるみたい。」

『親はなんも言わないの？って思ったらそういう事だったんだ……。』

「その事件があってから、お兄ちゃんは心閉ざすようになっちゃってね。その事件が起きる前はとても明るくて色んな人と仲良くしてたんだけど、起きてからは、誰とも仲良くすることはなくて1人で抱え込んでるんだよね。女と1体1なんて話すら出来なくなっちゃったよ。」

『そうなんだ……。』

私は、重い空気に耐えながらももの話を聞いた。

「まぁ、今はもう1年経ってるし！あ、この話は絶対に誰にもしちゃダメだよ？？Aにしか言ってないんだから！」

『う、うん！勿論だよ。』

「さ、ゲームしよ！」

ももはそう言い、明るく振舞った。