全力で、逃げろ！【ヒロアカ】 (ページ10)

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逃げろ！10 ページ10

そもそも、追いかけられる原因を作ったのは私なんです。私が轟君のためを思って、やった事なんですけどなんか怒っちゃったんだよね。

今から数時間程前のお昼休み、いつものように向かいあわせに座り私はサンドウィッチを、轟君は温かくない蕎麦を食べていた。そう、いつものように。

でも私が言ったこの一言のせいで、いつものようにはならなかった。

「ねぇ轟君、いつも同じ蕎麦だと飽きない？」

轟「いや別に」

「えー？だっていっつも蕎麦じゃない？
味変えてみたら？その味が轟君好みかもしれないのに」

轟「そうなのか？」

「きっとそうだよ！一回やってみたら？」

「…そうか」と言いながら山葵をつゆに少し入れて、蕎麦を食べる轟君。モグモグと口を動かし味を噛み締めていた。なんだモグモグって、可愛いなもう！

轟「あんまり変わんねーな」

「え、嘘」

山葵って少し入れただけでもピリッとこない？
足りなかったんだね！よし、今度は私が入れてあげようじゃないか！
人の食事に勝手に入れちゃうのはどうかと思うが、今は許して下さい。轟君の為なんで。

轟「！わりぃ」

と、丁度その時轟君のスマホが鳴ったため蕎麦から目が離れた。あっチャンス。
置いてある箸を取り、山葵が盛ってある小さな小皿を持ち上げつゆに少量入れた。

…

…

…はずだった。

「あっ」

ポチャン…

「…………oh…」

……今の音で大体の方は察したでしょうね。
えぇ、その通り。残りあった結構な量の山葵を誤って入れてしまったんでーす。

…まずいどうしよう！？！

頑張って山葵を取ろうとしてもなかなか取れず、むしろ混ざってしまった。

「……」

やば、色がちょっと緑寄りに…これ絶対ピリッとじゃ済まないよ！異常な程涙出るし鼻がツーンとするレベルだ…。
いやでも意外と轟君ならこの辛さがクセになったりしちゃったりしなかったり！？………うんありえる！ありえることにしておこう！！そうだいけるよ！

そうしてスマホをしまい、何も疑わずに食べた轟君が蕎麦を吹き出す3秒前。
これが理由で私は轟君に追いかけられることになった。

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hayです
この作品に星がつきました！ありがとうございます！