Perfect Crime (ページ7)

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-Ryosuke side-

きっと、覚えてないよ。

それでも君は、まだ

忘れられないんだね。

俺が高校生3年生だった時、恋愛禁止だった学校に隠れて

俺の同級生と付き合っていた2年後輩のA。

俺らが先に卒業した後も付き合ってたね。

ただただあいつの事が好きで

ただただ純粋にあいつを見つめるAが

眩しくて、その視線の先に立ってみたくて

そんな風に思われて見つめられてるあいつが羨ましくて

寂しくても隠れて泣いて、

絶対にあいつの前では笑ってる姿を見て、

抱きしめたくて…

でもあいつの彼女だから。

そうやって自分を納得させて諦めていた。

でも、あいつとずっと一緒にいた俺は知っていた。

別にAを大事に思っていた訳じゃない事も

他に女の子がいる事も…

でも、何も言えなかった。

何も言えないまま、あの2人の最後(別れ)を知った…

あまりにも酷すぎる最後(別れ)だった。

でも、これでいいんだと思った。

このままあいつを嫌いになって

このままあいつを忘れて笑っていてくれれば良かった。

隣に立つのが、他の誰かだとしても

どこかで笑っていてくれさえすれば

それだけで良かったのに…

Aはあいつを忘れる事はしなかった。

俺たちと同じ

画面の中にまで来てしまった。

名前も変えて、

全くの別人として。

Aが寝てしまってから

家まで送るのも、抱き上げて部屋に運ぶのも

もう慣れた。

抱き締められる距離まで近づけた。

なのに、

あいつを思いながら苦しそうにするAを見るのは

未だに慣れないよ。