11：奇矯 ページ13
ひどく軽い赤いランドセルを背負って、玄関を出る。隣に並んで歩く兄さんは、黒い学生服だ。
「…そういえば、探していた子は見つかったか？」
「見つかりません…転弧さん、別の小学校なんでしょうか…」
転弧さんと約束をしてから後日、一向に現れず。出会った河原周辺を見て回ったが、それでも彼の姿は見つからずに月日が流れ。
私は小学校に、鋼兄さんは中学校に入学した。
「早く見つかるといいな」
「またお話ししたいです…あ、でも新しい友達もできました」
2人で通学路を歩くときは気を遣わず話せるため、素でいられる時間だ。
クラスメイトや学校の先生などと話すときは、周囲のテンションに合わせて1トーン高い声を出している。前の前の世での小学生生活など覚えてもいないが、皆こんなに明るく(テンション高く)過ごしていただろうか…。
小学校の手前で、鋼兄さんと別れ、学校の敷地へ入る。
朝、新しい友達はなぜか昇降口付近で私を待っている。同じクラスなのだから教室内にいていいと思うのだが…懐かれたのだろうか。
「遥ちゃーん！！」
ああ、噂をすれば。
「おはよう遥ちゃん！今日もカァイイね！！」
「おはようございます――被身子さん」
小学校に入学してからできた新しい友達――渡我 被身子さん。
.
.
.
「っ痛、」
放課後、教科書をしまおうとして指を切ってしまった。若干血が滲んでいる……と、もう気づかれてしまったようで。
「遥ちゃん怪我？怪我してる？…血ぃ出てるねぇ、私にちょーだいっ！」
答える前に滲んだ血を舐められる。次の瞬間には、目の前の人物は自分と瓜二つ…いや、全く同じ容姿になっていた。
「うふふ、なんだか遥ちゃんの血は甘い気がするから好き」
「気のせいですよ…個性とはいえ、あんまり他の人の血を摂らない方がいいですよ？」
「んー、今舐めたいなって思うのは遥ちゃんのだけだよ？」
「それもそれで問題が…」
相手の血液を摂取すると、その相手になれる。
そんな個性を持つ彼女は、事あるごとに私の血を摂りたがる。
「あ。遥ちゃんのお兄さん！」
帰り道でも彼女はまだ私の姿と声のまま、同じく帰るところだった鋼兄さんに声をかけた。
鋼兄さんは私の声で変な呼ばれ方をして一瞬硬直していたが、こちらへ歩いてくると(私の姿をした)被身子さんの方を見て、
「誰だ」
と言った。…初見で見破ったのは兄さんが初めてである。
「匂いが違う」
…なるほど。
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らべんだー - いつも楽しませていただいてます！アリババ君は出てくるのでしょうか、、出てきてほしい！です！ (2020年5月6日 1時) (
レス) id: e9a4cf0eda (このIDを非表示/違反報告)
AYAAYA(プロフ) - 握力で測定器へし折りそうだねー (2019年6月22日 17時) (レス) id: df90ade64c (このIDを非表示/違反報告)
李鈴(プロフ) - あぁぁ、最っ高！こういうの欲しかったんです！ありがとうございます(><) (2019年2月12日 9時) (レス) id: ff3f8f1243 (このIDを非表示/違反報告)
操菜 荘椏(プロフ) - 続きが気になります！頑張ってください！ (2019年1月8日 22時) (レス) id: 973a3c6c76 (このIDを非表示/違反報告)
やっかちゃん(プロフ) - 夢小説読みまくった私にとってはそんなに違和感は感じないですが、作者さんの好きな風に書くものですから、今考えてるという案で全然問題ないと思いますよ！最後に、ヒロアカの推し全く一緒でした嬉しいですいつも楽しく読んでます更新楽しみにしてますね！ (2018年11月6日 23時) (レス) id: 37cb2170f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灰猫 | 作成日時：2017年8月28日 6時
