【名探偵コナン】諸伏家の嫁。３

第124話 ページ36

京極「自分はどうも女心というものがわからなくて、こういう場合どうしたらいいのか教えてください。」


どうしたらいいのか？私だってわからないよ…こういう場合どうやってアドバイスしたらいいのか…


『私は心理カウンセラーじゃないから園子ちゃんの詳しい心理はわからない。だから私なりのアドバイスになっちゃうけど、それでもいいかな？』


京極「もちろんです。お願いします。」


『とにかく離さないこと。そして離れないこと。』


京極「離さない…離れない…？どういうことですか？」


『そのままの意味だよ。園子ちゃんから離しちゃダメで園子ちゃんを離れちゃダメ。』


抽象的すぎて私の言っていることがよくわかっていないようだ。京極さんの頭にはてなが浮かびあがっているのが想像できる。


『私も昔、彼氏とケンカしちゃったことがあってね、その時にもう会いたくないって言ってしばらく会わなかった時期があったの。始めの頃は向こうが謝るまで絶対に許さないとか思ってたんだけど、時間が経つにつれてだんだん不安になってきたの。彼氏が私から離れていってしまうんじゃないかってね。』


京極「だから離さない、離れない、ということですか。」


『そういうこと。大切なものほど簡単に手からすり抜けていってしまうからね。400戦無敗の京極さんなら園子ちゃんを離さないことくらい簡単でしょ？』


京極「ですが、心技体が備わっていない自分は不安定な拳を使うわけにはいきません。」


心技体が備わっていない？そんなことないと思うけどな。園子ちゃんに怪我を負わせてしまったことに責任を感じてるのだろうか。


『守るための拳ならいくらでも使っていい。せっかく強いんだから、その力を大切な人のために使わないともったいないと思うよ。』


京極「本当にいいんですか？」


『いいよいいよ。警察の私が許可する。ちなみにね、さっき話した彼氏も私を守るために拳をふるってくれたの。』


忘れもしない。ヒロがストーカーを殴って私を守ってくれたこと。あの時は本当に嬉しかった。


『それとこれは婚約者の人が言ってたんだけど、人は守るものがあるから強くなれるってね。だから京極さんも、園子ちゃんを守りながら心身共に強くなるんじゃないかな？』


京極「そう…ですよね。園子さんを守りながら強くなればいいんですよね。」


『うん。園子ちゃんは闘ってる京極さんが好きだから、園子ちゃんのために拳を使ったらきっと仲直りできると思うよ。』

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