第116話 ページ28
お風呂に入った後、高明さんと一緒に工藤ご夫妻からいただいた『緋色の捜査官』の映画を観た。
私はこの映画を公開日当日に(わざわざ仕事を休んで)観に行ったけど、高明さんは観てないらしいから工藤優作大先生の沼に引き入れるのにちょうどいい。
モデルがお兄ちゃんだと知ってからこの映画を見ると、主人公がお兄ちゃんにしか見えなくなってきて、演じているのは別人なのにお兄ちゃんがスクリーンデビューしたかのように思えてきた。
疲れていて途中から寝てしまうかもしれないと思っていたけど、二人ともあくびひとつせずに最後まで観終えた。
観ている人を飽きさせないストーリーを考える工藤優作大先生はやはり偉大だな。
そして高明さんは意外と興味津々で観ていたから、きっとこの人もミステリー好きなんだなって気付いた。
諸「お兄様にお会いした時からですが、Aさんが赤色のピアスをしている理由がわかりましたよ。お兄様の名字が赤井だからなんですね。」
『そうですよ。お兄ちゃんだけじゃなくてパパも赤井だし、私も秀吉も昔は赤井でしたからね。』
諸「いつ名字が変わったんですか?」
『日本に来てからはママの旧姓の世良だったんですけど、大学に入ると同時に羽田になりました。あ、別に離婚とか再婚とかはしてませんよ。』
名字が変わってからしばらくは新しい名字に慣れなくて、名前を書くたび名乗るたびに間違えてたんだよな。
『でも、もうすぐ羽田の名字も用済みになりますね。』
座ったまま高明さんにくっついて、こてっと首を傾けて高明さんの肩にもたれかかった。
『私も諸伏になるんですから。』
諸「また名字が変わることになりますが、それでもいいんですか?」
『忘れたんですか?私は諸伏っていう名字が大好きで、ヒロと付き合ってる頃からずっと、この名字を名乗ることに憧れてたんですよ。』
ヒロと付き合いたての頃は、自分の名前に諸伏をつけ足した諸伏Aになることを勝手に妄想して、一人できゃあきゃあ騒いでいた。
相手は違えど、それが現実になるんだから喜ばないわけはない。
諸「嬉しいことを言ってくれますね。景光とAさんが恋人で本当に良かったです。」
『私だって、ヒロと高明さんが兄弟で、それも二人とも私のことを大切にしてくれる優しい人で本当に良かったです。』
もたれかかった首を元に戻し、高明さんを見つめながらにっこり微笑むと、高明さんも優しく笑い返してくれた。あぁ、幸せだなぁ。
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おひたし(プロフ) - ちー子さん» コメントありがとうございます。説明が不足して申し訳ありません。パスワードは半角小文字で英単語6文字を入力していただければ開くと思うのですが、どうしても開かない場合はまたご連絡ください。 (2019年12月15日 7時) (レス) id: c5b0a8f944 (このIDを非表示/違反報告)
ちー子 - いつも楽しみに見てます。番外編のこと何ですがパスワードを入れても開かないですが、パスワードは入力の上のパスワードでいいんですよね。 (2019年12月15日 0時) (レス) id: e1506e4f67 (このIDを非表示/違反報告)
おひたし(プロフ) - かずささん» コメントありがとうございます!私も諸伏警部が大好きで、諸伏警部の作品が少ないのでこの話を書き始めたんです。楽しんでいただけて私としても嬉しいです!これからもよろしくお願いします!最近忙しいので、更新はもうしばらくお待ちください… (2019年11月28日 10時) (レス) id: c5b0a8f944 (このIDを非表示/違反報告)
かずさ(プロフ) - 諸伏警部大好きです!あまり諸伏警部落ちの作品がないのでこの作品を読めてとても嬉しいです!!更新されるのが楽しみです!応援しています!頑張ってください!!! (2019年11月27日 0時) (レス) id: 189adfe0dc (このIDを非表示/違反報告)
名無し65455号(プロフ) - おひたしさん» はい!これからも五月雨でよろしくお願いします! (2019年11月6日 19時) (レス) id: d7c3512a33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おひたし | 作成日時:2019年11月4日 14時