宮治と赤い糸で結ばれています

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「てか、ほんまAちゃんてよく転ぶよな。よく廊下とかでもこけてるの見かけるで」


「…あはは。なんだろね普通に歩いてるつもりなんだけどね」


「さっきもいきなり目の前で転んだからびっくりしたわ」



さっきのは糸のせいではなく普通につまずいて転んだんだけどね。








「なんでそんな何もないとこで転ぶん？」

「な、なんでだろうね歩き方変なのかもしれない」

糸につまずいてるからだけど。






「確かに変な歩きしとるときあるな。いきなり大股になったりとか」

「えっ、……む、虫！虫を避けてるんだよ」

転んだら手が引っかかったりするのが嫌だからとりあえず跨ぐようにしているため大股になってしまうのだ。






「何もないとこずっと見つめてたり目で追ってたりもするよな」

「・・・・そ、そうだっけかな」

確かに糸の繋がっている方角を目で追っちゃうこともよくある。誰と誰が繋がってるとか気になっちゃうし。








自分の行動を想像以上に観察されていたことに動揺が隠せない。手汗がドバドバ出ているせいで傷口に染みて痛い。


それにしても、あたしのこと見過ぎじゃないですか？そんなに見られてたとか恥ずかしいんだけど。


てかあたしの行動って、側からしならそんなに不審だったのだろうか。やばいなこれか行動改めなければ。




そんなのとをグルグル頭の中で考えていると、





「Aちゃん」





頭上から治くんに名前を呼ばれる。

彼の顔を見上げると、ぱちりと目が合った。

思わず、歩いている足が止まってしまう。








そして彼は、



「誤魔化さんでええよ」







心臓がヒュンとなった。




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