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4 (青s / 紫) ページ4

青side

「自己紹介まだでしたね。僕、ここのbarの店長をしています藤井流星です。良かったら、どうぞ」


なかなか口をつけないワインを勧めながら、もしかしてたかひろさんも自己紹介してくれないかなと待ってみる。
お客様の個人的な話を店側から率先して聞き出すのは違うと思うから…
そのかわり、一言話し始めたらお客様の気がすむまで耳を傾ける…それか俺なりの美学。


「いただきます」


熱いから持ちやすいようにマグカップに入れたので、たかひろさんは萌え袖のまま両手で持ち、ふーふーと冷ましている。すっきりとした細面の顔に膨らんだほっぺたがミスマッチでクスッと笑ってしまう。

「そんなに熱ないでしょう?貸して?」

たかひろさんの手のひらごと包んで、俺からもふーふーしてみせたら、また目をまん丸にして驚いて俺を見つめる。

あー、やっぱりこの人かわええ!


「もう大丈夫。体、あったまるから飲んでみて?」


自然と敬語を崩してしまうのは、店を閉じた後のプライベートやからと自分に言い聞かせて。


「ん…あまい」


小さく呟いたたかひろさんに


「甘いの苦手やった…?」


恐る恐る尋ねれば、


「すきや…」


消え入りそうなほどのその声にドキっとした。


好きなのは、甘いドリンクやで!
変な気ぃおこしたらあかん!


コクコクと飲む姿にほんの少し心配になる。
まあまあなアルコール量やから、、
甘味強めで飲みやすいだけ余計に酔いやすいんや


無意識とは言え、女の子酔わすテクニックみたいで我ながら引いてまうわ

でもたかひろさんの口にあったんなら良かった。


マグカップをテーブルに置いて満足そうに目を細めながら


「ご馳走様でした」


と、たかひろさんは言った次の瞬間コテンと体を預けてきた。


「え?」


「スー、スー、スー」


寝てる?
ちょっと待って?

もしかして、アルコール弱かった?
軽くパニックなる。


「たかひろさん、大丈夫?」


「たかひろさん…やや、たかひろ…やし」


酔ってはる!目が座ってトロンとしやん


「ずっと待ってたんよ、はよ…、なぁ?」


涙目の上目遣いで、袖を引っ張るのやめれる?


誰かと待ち合わせしてはって、その人と俺を勘違いしとるんや、どうしよ…


「もう、いらんの?なぁって」


近い…顔が近い…

吐息が耳にかかりかなり変になりそう


「たかひろ、しっかりしいや」

誰かわからん誰かになりきり大袈裟に肩を掴んで揺らせば、胸に飛び込んできて泣き出してもうた。

5 (青s / 紫、橙)→←3 (紫s / 青)



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こー(プロフ) - Shandyさん» 返信ありがとうございます!迷惑でなくて良かったです。Shandyさんのペースでいいので、更新楽しみにしています。わ……ありがとうございます!まさかそんな嬉しい言葉を言っていただけるなんて……!!ありがとうございます!私も更新頑張らなければ……笑 (2022年3月29日 23時) (レス) id: 88264f67b7 (このIDを非表示/違反報告)
Shandy(プロフ) - こーさん» 不快だなんてそんな、、、むしろコメントいただけて久しぶりに書きたい欲が湧きましたので感謝です♪こーさんのお話の世界観私も大好きです(^^) (2022年3月29日 22時) (レス) id: 18b5a9219f (このIDを非表示/違反報告)
Shandy(プロフ) - こーさん» 初めまして♪コメありがとうございます!青紫お好きなんですね。片隅に放置していた話を見つけてくださり設定や世界観を好きとのお言葉とても嬉しいです。私も青紫大好きなのでなんとか続きを書きたいと思っています。もしパスをかける時はちゃんとヒントを添えますので (2022年3月29日 22時) (レス) id: 18b5a9219f (このIDを非表示/違反報告)
こー(プロフ) - 不快に思われたら無視してください。突然のコメントで失礼なのをわかった上でコメントしました。不快になられましたら本当にすみません。 (2022年3月28日 17時) (レス) id: 88264f67b7 (このIDを非表示/違反報告)
こー(プロフ) - 突然、大変失礼致します。初めまして。青紫が好きでこの作品に出会いました。このお話はパス掛けしないで頂きたいです。突然のコメントに要望、迷惑だと思います。本当に申し訳ありません。世界観や設定がとても好きで読めなくなるのは悲しいのでコメントしました。 (2022年3月28日 17時) (レス) id: 88264f67b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Shandy | 作成日時:2020年11月23日 16時

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