なにわの白③【男主】 (ページ43)

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しばらくして、西畑が部屋に入ってくる。
間宮の左右にいる年下を見てムッとするが、それに気付いたの者はごく僅か。

ズカズカと間宮のほうへ歩いていき、高橋の間を無理やり座った。
UME強引オン！が流れててもおかしくないくらい強引な西畑に高橋はびっくりしているし、大橋は声に出して笑っている。

西畑「今日終わったらAの家行っていい？」
『ええけど、家に食材ないかも』
西畑「帰りに買いに行こ」
『何食べたいか考えといてな』

西畑が隣に座ったことでようやく意識が逸れた間宮は作業の手を止め西畑を見る。
あれ？さっきまで高橋がいなかった？と言うと西畑が今ははっすんのとこやで、と平然と答えている。

この何事もなかったかのように、当たり前にみやにしワールドが展開されるのが怖くて西畑の前で間宮に近付ける者が少ないのだ。何をされるかわかったものじゃない。

現に福本や小島は怯えているし、長尾や道枝はやっぱり大吾くん凄いななんて顔をしている。

無意識に西畑センサーを発動させる間宮に悪気がないことは言っておこう。
高橋のことは可愛がってるし、さっきまで声をかけられれば返事をして会話をしていた。

それ以上に西畑の存在が大きかったり、西畑の座るタイミングがちょうど作業に集中してる時だったり、様々な要因が重なっていたのだ。

この中で唯一間宮に抱き着いたままだった佐野はメンタルが強いのかもしれない。
暴走少年と言われてるのが嘘のように大人リクしているし、間宮に頭を撫でられるたびに喜んでいる。

西畑は少しイラつきながらも間宮と佐野の関係性を知っているから追い出そうとはしない。
それ以上の敵がいるから自由にさせてると言ってもいい。

　

末澤「佐野、そこどけ」
佐野「いやです」
西畑「誠也くんの席ないです」
末澤「大吾に聞いてない」

そう、末澤だ。
末澤が部屋に入ってきた瞬間、全体の温度が少し下がったのは勘違いではない。

外野からすると末澤がどれだけ機嫌悪いかが丸わかりだ。
いかにも機嫌悪いですと書いてある。

こんな中で作業を続ける間宮も、意地でも離れない佐野も、敵対心剥き出しの西畑も周りから見ると異質。これを止めようとする者はほぼいないだろう。

いつもなにわとAぇが集まるとこうなるが、間宮争奪戦は昔から存在している。
ちなみに関西の小さい子達の前ではもう少しマイルドな争いをしているらしい。

　

そんな日常的な戦争は、これからもずっと行われるだろう。